新型コロナ直撃で若手芸人「収入ゼロ」の恐怖

2020年03月04日 17時00分

相撲大好き芸人のキンボシ西田

 新型コロナウイルスの感染拡大のせいで、若手芸人たちが死活問題に直面している。吉本興業が2日以降、全国15の直営劇場で行われるすべての公演を中止または延期することを先月末に発表したのだ。“相撲大好き芸人”として知られるキンボシ西田(32)は本紙の取材に、劇場の閉鎖に加え「大相撲春場所無観客開催」というダブルパンチにより“収入ゼロ危機”にあると悲痛な声を上げた。

 吉本は2日から主催イベントを中止、または延期している。「なんばグランド花月」(大阪)、「ルミネtheよしもと」(東京)などの直営劇場も休演に入った。

 主に若手中心の「ヨシモト∞ホール」(東京・渋谷)に出演していた西田は「今週の出番は、すべてキャンセルになりました。全部で11ステージの予定だったんですが、それがゼロになりました。地元の鹿児島でも、番組に出演させていただいていたんですが、それもキャンセルになったんです」と窮状を明かした。

 再開時期について吉本は「状況を見て判断する」としているが「このまま2週間、3週間と休演が続くことも考えられますよね? 3月に働いた分は4月か5月に振り込まれるので、その給与明細を見るのが怖すぎます。これは僕だけでなくて、同じような立場の若手全員が危機感を抱いていると思います」。
 おカネだけの問題ではない。

「ネタを見せる場所があることが、どんなにありがたいか実感しました。ネタを作っても見せる場所がないと実力はつかない。『吉本はギャラが安い』なんて言ってネタにしてましたけど、すいません!(笑い)」とジョーク交じりに話したが、もはや死活問題だ。

 さらに相撲大好き芸人としては、8日に初日を迎える大相撲春場所(大阪府立体育会館)が無観客開催となったことも、大きな問題だという。

「初日も自腹で大阪入りして観戦する予定だったんですが、それもあきらめることになりました」

 実は大相撲の地方場所は“ネタの宝庫”で「朝稽古を見学したり、会場入りする力士に声を掛けたりなど、触れ合えるチャンスが多い。僕は力士のものまねや細かいトリビアなどをネタにしているので、現地にいると、ネタになるエピソードを拾えることも結構あるんですよ」。

 この春場所は、引退した武隈親方(元大関豪栄道)の“デビュー場所”になるため「大阪は武隈親方の地元ですし、貴重な機会だった。実は親方になって初めての場所は、研修のような感じで花道の警備をしたり、会場に立つんです。いままでお話ししたことがなかったので、そこでお声を掛けさせていただこうと思っていたんです」。

 相撲大好き芸人としてネタを仕入れるチャンスが、水の泡となったのだ。ただ落ち込んでばかりもいられない。巻き返し策の一つとして、8日に「バーチャル升席体験」を配信予定だとか。

「春場所初日の8日、朝8時半から夕方6時半まで、10時間ぶっつづけでユーチューブ配信をやります。幸か不幸か、仕事がなくて時間だけはあるので。僕と升席で相撲を見ている感じで、お酒など飲みながらのんびりと相撲観戦しましょう! 好角家の能町みね子さんもゲストに来てくれます」と猛アピールした。