東海道新幹線700系ラストラン中止 突然の別れに鉄道ファンがっかり

2020年03月03日 17時00分

コロナ禍で、サヨナラする前に消えた700系(左)。右はN700系

 突然の別れの知らせは小中高生だけでなく、鉄オタも襲った。JR東海は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、8日に予定していた東海道新幹線700系車両のラストラン、臨時「のぞみ315号」の運休を発表。これに伴い、東京駅出発時と新大阪到着時に実施する予定だった、引退式典および途中停車駅での社員による見送りも中止となった。

 3月はJR各社や私鉄が、大規模なダイヤ改正を実施する時期で、今年は14日の改正がほとんど。JR山手線・高輪ゲートウェイ駅の暫定開業や新型車両の投入など、利便性の向上が図られる一方で、赤字駅の廃止や老朽化した車両の引退、配置転換も行われる。

 そんな中、最も注目を集めたのが、1999年に営業運転を開始した700系の引退だった(JR西日本所属車両の一部は残る)。独特のノーズの形状から「カモノハシ」と呼ばれ親しまれた700系は、8日のラストランに向け、JR東海がさまざまな引退イベントを実施。2月29日と1日には、団体専用列車でのツアーを開催し「参加を楽しみにしていた人も多いと思う。時期が時期だけに、ツアーが無事に開催できてよかった」と鉄道ファンを喜ばせていたのだが…、これが事実上のラストランとなった。

 ラストランでは、車内やホーム上などでファン同士の濃厚接触が必至となるため、JR東海の判断はやむを得ない面もあるが、突然の中止発表にファンからは「残念だ!」と悲鳴に近い声が上がった。

 700系のラストランは中止となったが、今年のダイヤ改正ではJR貨物と秩父鉄道を直通している日本国内最後の石炭輸送の廃止、近畿日本鉄道の魚介類行商人のための団体専用列車“鮮魚列車”の運行終了(改正後は一般列車の最後部につなぐ形で運用)などマニアックなものも含まれる。

 ある鉄道ファンは「最後の最後に『お疲れさま、ありがとう』と言いたい気持ちはあるんですが、『不要不急の外出は避けて』と言われてますし、自粛のお願いといっても、半ば強制みたいな雰囲気。行くかどうか思案してます」と悩んでいる。