NHK“違法行為なし”書面要求に芸能プロダクション困惑

2020年02月24日 11時00分

NHK

 NHKが先日の定例会見で、4月以降の番組出演者に対して、薬物使用などの犯罪行為や反社会的勢力とは無縁であることを誓約する文書提出を求めると明らかにした。

 昨年の大河ドラマ「いだてん」に出演していたピエール瀧が麻薬取締法違反で逮捕され、話の途中でキャストを変更。おなじく「いだてん」に出演していた徳井義実は巨額の所得隠し問題が発覚。こちらはもはや撮り直しの利く状況ではなかった。

 昨年末には今年の大河ドラマ「麒麟がくる」に出演するはずだった沢尻エリカが麻薬取締法違反で逮捕され、撮影のやり直しを余儀なくされ、さらに放送開始も遅れた。

 受信料で成り立っているNHKとしては、犯罪行為や反社会的勢力との関係を容認できるものではない。これらの流れから、NHKがチェック態勢を厳格化することは当然の成り行きだろう。ただ、芸能プロダクション側は、この決定に困惑している。ある芸能プロ関係者は「犯罪行為をしないことは当たり前ですけど、これは結構きつい」と頭を抱える。

 芸能事務所によって規模はそれぞれだが、一般に多くのタレントを抱えている。同関係者は「1人、2人ならともかく、多くのタレントを抱えているところなんか、全員に薬物はやっていないか、反社会的勢力と接点はないかなどチェックするのは難しい。それに、タレントは全員が全員、主役クラスじゃないんですよ。端役のタレントだっているんです。仮に1回出てギャラが2万円クラスのタレントが不祥事を起こしました。全部、撮り直しなので、制作費を払ってくださいって言われたら、小さな事務所は潰れますよ」。

 また、別の芸能プロマネジャーは「もともとNHKはギャラが厳しいのに、これだけの制約があってリスクもあれば、怖くてNHKの番組には営業をかけられない。いくらなんでもタレントの私生活すべてを把握することはできないんだし」とこぼす。

 タレントが自らを律することができれば問題が起きることはないのだろうが、これまでタレントが問題を起こさなかった年など一度もない。NHKにとっても、芸能事務所側にとっても難しい問題だろう。