2018年に初期の肺がん、昨年に脳腫瘍と2年続けて大病を患った落語家・三遊亭円楽(70)の健康状態が明らかになった。

 円楽は19日、都内で行われた落語公演「落語大手町2020」(7月25~27日、東京・よみうり大手町ホール、大手町サンケイプラザ)の記者発表に出席。「芸人である前に病人。(椅子に)座っていいですか?」と笑わせ、着席の上で会見をスタートさせた。

 自身の状態について「疲れやすいのと、治療をした副作用的なものがまだ残っている」と説明。「気力は充実している。体力がちょっと落ちている」と続けた。

 円楽の知人は「顔がちょっとやせ細り、しわが増えた。足元も若干おぼつかなく、背中を丸めて歩くようになった」と語る。今月8日の誕生日で古希を迎えた。本人が話す通り、体力面では衰えがあるようだ。

 それでも、モチベーションは高い。円楽は今後について「あと10年やりたい。10年たったら(落語界の)世代も交代している」と後継の成長に期待し、「寿命まで走りたい」と“生涯落語家”を宣言。「命がある限り、落語界へ恩返ししたいと思っている」と誓った。

 同公演では自身がプロデュースを担当、高座にも上がる。ほかには、桂文枝、笑福亭鶴瓶ら落語家26人の出演が決まった。初日は、東京五輪の開幕(7月24日)翌日。世界中の人が日本の首都を訪れるだけに「芸事を日本人は持っているんだ、つくっているんだと世界に発信するチャンス」と鼻息は荒かった。

 かつては女性問題で世間を騒がせたこともあったが、落語界に最後のご奉公をするつもり。芸歴50年の節目を迎えた噺家(はなしか)の新たな挑戦が始まった。