新型コロナウイルス禍の中国に“珍”警告が続々!

2020年02月10日 17時00分

湖北省襄陽市内で飛行するドローン(ロイター)

 新型コロナウイルスによる中国本土の死者が900人を超え、2002~03年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の世界全体の死者数774人を上回った。中国当局はマスクを着用せずに外出している市民の拘束や感染者との接触事実を隠蔽した場合、最高死刑となる脅しともいえる方法で封じ込めに躍起となっているが、取り締まっているのは公安当局の人員のみならず最先端のドローンやロボットの数々だ。IT先進国ならではの隔離&検疫作戦に出ている。

 中国では8日の「元宵節」を区切りに春節(旧正月)ムードが終わる。だが、新型コロナウイルスによる肺炎パニックで、今年は国中がまひ状態。中国国家衛生健康委員会による発表(10日)では、中国本土での感染者は累計約3万9000人、死者は902人と増える一方。不要不急の外出をする人はまずいない。

「『感染拡大を防ぐため、人との接触をできる限り避けるべし』というお達しが中国全土で徹底されていて、買い物に出掛けるのは一家の代表者1人だけ、しかも2日に1度に限るなど事実上の外出禁止令が敷かれている地域も少なくない」とは、上海にとどまる日本人駐在員。

 人が集まっての外食も、多くの都市で原則禁止になった。何人集まったらダメなのかという市民の問いに対し、ある地方の当局は「3人以上での食事を禁ずる」というお達しを出した。飲食業界からは「このままじゃ店が潰れる」と悲鳴が上がっている。

「それでも家にジッとしていられないのが中国人の国民性。非常事態でもなおマスクを着けず街をうろつく老人もいれば、街角に雀卓を持ち出し麻雀に興じる人々も。そんな不届き者を取り締まるため、中国の公安はドローンを投入した」(前出の駐在員)

 肝が据わったオッサンたちが街角で麻雀やポーカーをやっていると、突然空から拡声器付きのドローンが現れ「マスクを着けなさい!」「聞こえているでしょう! さっさと帰りなさい!」などと警告。取り締まる側の安全を確保しつつ、空中からのパトロールと注意喚起を行う、いうなれば“空飛ぶDJポリス”だ。

 遊んでいる方もそう簡単に腰を上げたりしない。だがドローンの警告がそのうち怒号に変わると、不届きな遊び人たちも渋々退散…という事案が各地で起きている。またドローンによっては体温センサーを備えている機種も。熱が異常に高い人を見つけたら、ドローンから公安や衛生当局に即通報されるシステムになっているという。

 中国国内では無数の村や街、住宅街などで封鎖措置が取られ、住民登録していないと一切中へ入れなかったりも。そんな地域に生鮮品などを届けるため、使われているのもドローンだ。

「米アマゾンが昨年、ドローンによる商品配送計画を打ち出したが、現実的にはさまざまな問題があり、(欧米で)試験段階にとどまっているのが現状。だが中国は必要に迫られてのこととはいえ、あっさり実用化してしまった。この即応性には驚く」(前同)

 また、新開発されたばかりで効果のほどは不確かな“対肺炎マシン”も続々投入されている。住宅街へのウイルス侵入を遮断するため作られた全身消毒ビニールハウス、発熱者を自動的に探し出す体温測定ロボット、新型肺炎感染者情報共有マップなどなど…。人権的に問題のあるものも含まれるが、それでも実用化してしまうのが中国の強みともいえる。