「白塗りが当たり前」の尾上右近 現代劇は「精神的に裸のような状態」

2020年02月04日 18時22分

舞台への意気込みを語った尾上

 歌舞伎俳優の尾上右近(27)が4日、大阪市内で行われた舞台「この声をきみに~もう一つの物語~」の取材会に登場した。

 竹野内豊(49)主演で2017年に放送されたNHKドラマのスピンオフオリジナル舞台。とある朗読教室に集まった人々の心の交流を描いたラブストーリーを、脚本家の大森美香氏が新たに書き下ろした。

 18年の舞台「ウォーター・バイ・ザ・スプーンフル」以来2度目の現代劇出演となる尾上は、前作について「歌舞伎の演技方法しか学んでこなかった自分には、右手でご飯を食べているのが左で食べなきゃいけないくらいの感覚だった。白塗りが当たり前で育ってきたので、精神的には裸のような状態。自分の普段のそのままが出ているようで苦戦しました」と振り返った。

 しかし「歌舞伎役者として歌舞伎の舞台でも役立つし、自分の気持ちの言葉としてセリフを言うという役者の役割を考え直す機会になった。それを今回の舞台につなげて、お客さまの心が温まるような作品になれば」と経験を生かすつもりだ。

 人や社会との付き合いが苦手で、朗読教室に通うことになる青年を演じることについては「僕も不器用な自分をひた隠しにしているタイプ。もっとうまく人と関われたら、いろんな発展があったり、楽しい時間を過ごせると思うし、自分の中で克服したい交流の仕方っていうのはある。もっと楽に広がりを持ちたいと思っている部分は、共感できるところがある気がします」と語った。

 朗読教室にちなみ、興味深かった本について聞かれると「歌舞伎役者としての知識を蓄えるために、10代から芸談を読むことが多かったのですが、違った角度から先人たちのエピソードを知りたいなと思って読んだ『東京おぼえ帳』という本が興味深かったです。大正・昭和に活躍した人たちのゴシップを扱った本で、知らない一面を知ることができた。当時の日本や日本人の感覚の変わらない部分とかを知ることができて面白かったです」と明かした。

 舞台は3月6日から8日まで大阪・サンケイホールブリーゼで、3月12日から22日まで東京・俳優座劇場で上演される予定だ。