中国騒然・新型肺炎「宿主はコウモリ」説 03年“SARSパニック”と同じパターンか

2020年01月24日 17時00分

注意喚起を呼びかける羽田空港の張り紙(ロイター)

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染による肺炎が拡大している問題で、同市当局は23日午前から、飛行機や電車を停止させ、市民の移動を制限し、感染拡大を封じ込める異例の措置を取った。一方、米CNNがウイルス学会誌の論文を引用し、遺伝子解析の結果、感染源はアマガサヘビやタイワンコブラで、宿主はヘビのエサとなるコウモリの可能性が高まった。

 中国共産党機関紙、人民日報(電子版)によると、発症者は23日午後8時(日本時間)までに31の省・自治区・直轄市のうち27で確認され、計628人になった。死者は17人に上り、いずれも湖北省だった。

 北京の日本大使館関係者によると、武漢市で60代の日本人男性が重い肺炎を発症し入院しているという。日本国内では、19日に来日した武漢市在住の40代男性が、新型コロナウイルスに感染し肺炎を発症したことを24日に厚労省が発表した。国内での感染確認は2人目。

 香港政府とシンガポール政府、国営ベトナム通信も国内初の発症者が確認されたと報じた。インドメディアも、サウジアラビアの病院で勤務するインド人看護師1人から陽性反応が出たと報じた。英PA通信も、武漢市から英北部スコットランドに渡航した4人が、肺炎の症状を示し、検査が行われていると報じた。日本を含むアジア各国、米国に次いで欧州にも拡大した可能性がある。

 最初の発症者は武漢の海鮮市場の従業員や客だったことから、この市場で販売されている食材の野生動物とウイルスの関係が疑われていた。

 23日のCNN(日本語電子版)では、感染源について「野生のヘビはコウモリを餌にすることがある。武漢の海産物市場ではヘビも販売されていたことから、コウモリからヘビに感染した新型コロナウイルスが人へと広がり、今回の流行を引き起こした可能性が高くなった」と報じた。

 中国国営の新華社通信も「ウイルスの自然宿主はコウモリの公算が大きい」と報じた。つまり、コウモリ↓ヘビ↓人↓人というルートで広がった可能性が高い。

 2003年に世界中を恐怖に陥れたSARS(サーズ=重症急性呼吸器症候群)ウイルスも、その自然宿主はコウモリといわれている。

 武漢の市場では112種類の野生動物が生きたまま販売されていた。中国版ツイッター「ウェイボー(微博)」にはその価格一覧表がアップされている。オオカミ、イヌ、ラクダ、ネズミ、クジャク、キツネ、イノシシ、もちろんヘビもいた。中国政府は野生動物の運搬や販売を禁止した。

 中国事情通は「中国では『野味』といって、野生の食材を食べる習慣がある。おいしいものを求めるというより、体に良い特別なものを求める。市場では動物をその場でシメるのですが、飛び散った血や排せつ物が手に付着し、そこからウイルスが体内に入ったのかも」と指摘する。

 店頭でヘビの頭を落とし、うねうね動く胴体の皮をむき、ぶつ切りにするなどして客に渡す。スープ、鍋、唐揚げなどが人気。酒で割った生き血を飲むこともある。

 24日には春節(中国の旧正月)休みがスタートし、多くの中国人観光客が日本を訪れる。ウイルスの潜伏期間は1週間ほど。感染し、発症前に訪日する人、発症していても飛行機代をムダにするのがもったいないと訪日を強行する中国人もいるだろう。入国の際、体調の良しあしは自己申告に頼らざるを得ない。

 だが、発熱、咳の症状があった武漢の女性が先頃「薬で熱を下げてフランスに入国した」とネット上に投稿したケースもあった。

 中国内でユーザーが11億5000万人余りいるSNS「WeChat(微信)」では衝撃的なやりとりが出てきている。ネタかリアルか、スタッフが防護服姿で徘徊する病院内や、社員らがビニールシートをかぶって仕事するオフィスを撮影した動画もアップされた。

 武漢の市当局は23日、飛行機や電車を停止させ、感染拡大を封じ込める異例措置を取った。だが、前日までに、武漢から東に800キロの上海などへ脱出した地元の若者たちが、こぞって車中から自撮り画像をアップ。そんな投稿がまとめてさらされ、炎上の種になっている。