スマホ等で手軽にメッセージをやりとりできるLINEで、疑惑の渦中にある政治家のスタンプが花盛りで、シュール過ぎると永田町でネタになっている。話題となっているのは、IR汚職の収賄容疑で逮捕された秋元司衆院議員や、中国企業側から100万円を受け取っていた下地幹郎衆院議員、公職選挙法違反疑惑で経産相を辞任しながらも通常国会で復帰した自民党の菅原一秀衆院議員らがキャラクター化された有料スタンプだ。

 政治家のスタンプといえば、3年前に自民党が配信した安倍晋三首相のスタンプが無料だったこともあり話題となった。LINEの審査が通れば、誰もがスタンプを商品化できるものの、本紙が確認したところ、有料スタンプを作っている政治家は30人ほどしかいなかった。

 NHKから国民を守る党の立花孝志党首の「ぶっ壊す!」や、“キモかわ人気”がある自民党の石破茂元幹事長、国民民主党の小沢一郎衆院議員らはキャラが確立し、一定の販売も見込めるとあって、うなずけるところだが、渦中の菅原氏や秋元容疑者らは知名度では劣るだけに首をかしげたくなるところ。

 いずれも疑惑が噴出する前に作られており、主に日常のあいさつを吹き出しにした内容だが、秋元容疑者が「返信不要です」の紙を持っているデザインは、収賄容疑で逮捕された今となってはブラックジョークにしかならない。

 また菅原氏は、選挙区内の有権者に秘書が香典やメロンなどを配っていた疑惑があるだけに「秘書を伺わせます!」とOKサインを出すデザインも意味深だ。

 2人のスタンプはともに120円で販売されており、売り上げの約半分が収入になるとみられる。皮肉にも今回の騒動で注目を浴びているとあって、身の潔白が証明されるようなことがあれば、ケガの功名になるのだが…。