ゴーン被告「映画化」で反撃!? 米プロデューサーと面会・他のハリウッド関係者にも動き

2020年01月08日 17時00分

世界中から失笑を買った昨年3月、保釈時に変装したゴーン被告

 保釈中にレバノンに逃亡した前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)の注目の記者会見が8日午後3時(日本時間午後10時)、レバノンの首都ベイルートで行われる予定だ。同被告は自身の逮捕を巡る日産の「クーデター」や日本政府の関与を語るとみられ、注目される。一方、逃走に成功した同被告が自身に降りかかった一連の出来事を手記などにして出版、さらに映画化までを計画していると報じられている。どうやらジョークではなく本気で映画にして日本に“反撃”するつもりだ。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ゴーン被告は逃亡前の昨年12月、東京都内の制限住宅で、米アカデミー賞作品賞の受賞歴のある米ハリウッドの映画プロデューサー、ジョン・レッシャー氏と面会し、自身の逮捕劇に関する映画の構想を語ったという。

 時系列からみて、この時点で逃亡計画はできていたとみられる。同紙によると、ゴーン被告は日本の司法制度を「悪役」として「不当逮捕、無実を証明するための闘いを驚くべき予想外の展開で描く」ことで、自身の名誉回復をしたいとの意向を伝えたという。

 その後「多国籍の10~15人程度のチームが逃亡計画に関与し、20回以上来日し、少なくとも10空港を下見し、保安検査が甘い関西空港を選んだ」(米紙ウォールストリート・ジャーナル)、「総費用は2000万ドル(約22億円)以上と推定される」(英フィナンシャル・タイムズ)と報じられた映画さながらの逃亡劇が成功した。

 ゴーン被告の頭の中では、この逃亡劇も映画のクライマックスとして描く構想だろうが、果たして映画化は実現するか。

「事件の当事国の日本やフランス以外の国は世界中が注目する事件、逃亡劇だけに、おもしろがってみている。映画関係者は特に陰謀説が大好き。ゴーン被告の身柄はすでに日本の司法当局の手が及ばないレバノンにあり、身柄引き渡し条約もない。面会したプロデューサーだけでなく、ハリウッド関係者がゴーン被告に手記を書かせ、それを原作として映画化すべく、動いているとみられます」(映画関係者)

 インターネット上では、映画化をちゃかす書き込みも多数ある。ゴーン被告の保釈時の変装劇のおもしろさから、そっくりさんとして知られる「Mr.ビーン」の俳優ローワン・アトキンソン(65)が「ゴーン被告役に決まりだろ」との声もある。

「ローワンを起用するとコメディー映画になりそうだが、彼はシリアス路線のテレビドラマなど経験はある。実現してもおかしくない」(同)

 一方、8日の会見を前に、逃走された日本側も次の一手を打った。

 東京地検特捜部は7日、ゴーン被告の東京地裁での証人尋問で虚偽の証言をしたとして、偽証容疑で被告の妻キャロル・ナハス容疑者(53)の逮捕状を取ったのだ。

 ゴーン被告は2017年7月~18年7月、日産子会社の「中東日産」からオマーンの販売代理店「SBA」に計約11億1000万円を支出させ、うち約5億5500万円を実質的に保有するレバノンの投資会社「GFI」名義の預金口座に送金させ、日産に損害を与えたという特別背任の罪に問われている。

 特捜部によると、昨年4月11日に東京地裁で行われた捜査段階の証人尋問で、キャロル容疑者は、ゴーン被告の18年11月の逮捕後、同被告の指示でGFIに資金を送っていたレバノン国籍の知人と会ったり、多数のメールをやりとりしたりしていたのに「その人は知らない」「メールのやりとりをしたかどうか記憶にない」などと虚偽の証言をした疑いがある。

 ゴーン被告側の広報会社は「逮捕状はまったくひどいものだ。前回も(ゴーン被告の)会見の直前に再逮捕したように、今回も会見の前日にキャロル夫人の逮捕状を取った。捜査は意図的だ」と声明で批判したという。

 司法関係者は「ゴーン被告と同様、夫人の身柄の引き渡しも実現する可能性は低い。日本の司法を無視して違法出国したゴーン被告と夫人の不当性を国際的に示す効果はあるでしょう」とみる。

 逮捕状が執行されることはなさそうだが、映画化となれば、これらが“日本側のなりふり構わない手法”として描かれそうだ。8日の会見での発言が注目される。