豊洲初セリ・マグロつないだ辰兄魂 1番マグロ1億9320万円落札「すしざんまい」木村社長が明かした交遊秘話

2020年01月05日 17時00分

築地のすしざんまいに届いた競り落としマグロを歓迎した木村社長

 辰ちゃんに食べてもらいたかった――。昨年5月の令和改元後、初となる新年初競りが5日早朝に東京・豊洲の中央卸売市場で行われた。注目の「1番マグロ」は青森県大間産クロマグロ(本マグロ)276キロで、1億9320万円の値がついた。競り落としたのは昨年に引き続き、すしチェーン「すしざんまい」を展開する喜代村(東京都)。昨年12月に亡くなった俳優の梅宮辰夫さん(享年81)と交流のあった同社の木村清社長(67)は天を見上げながら故人をしのんだ。

 記念すべき令和最初の初競り。注目は何といっても、クロマグロ(本マグロ)だ。

「1番マグロ」は縁起物として扱われ、とんでもないご祝儀価格となる。今年もまた最高ブランドの青森県大間産のクロマグロ276キロが1番マグロとなり、1億9320万円(1キロ当たり70万円)の値が付いた。

 落札したのは、おなじみ、「すしざんまい」の木村社長。築地(中央区)から豊洲(江東区)に市場が移った昨年は大間産クロマグロ278キロを3億3360万円で落札したが、市場関係者いわく「あれは異常な価格。1キロ当たり120万円で、採算度外視。木村氏も想定外の高値だった」。

 今年は昨年には及ばなかったものの、それでも史上2位の高額落札。マグロ1本が分譲タワーマンションをしのぐ約2億円なのだから、想像を絶する世界だ。

 この日は海外メディアも取材に訪れていたが、一様に「クレージー」と口あんぐり。番組のロケで豊洲市場に来ていた「TOKIO」のリーダー・城島茂(49)も絶句するしかない。

 落札後、木村氏は「一番いいやつを(競り)落とせた。正月だけでも気分が良いのに、令和初だからね。うれしいね。よかった」と安堵の表情。

 19年前の2001年に最高値2020万円だった“1番マグロ”が、いまや億超えが当たり前になっている。これには「高いよね…。(競合相手が)よくもまぁ(価格を)上げてくれるもんだから…」と本音ものぞかせたが「日本を元気にしたい。おいしいマグロをたくさん食べてもらいたい」と言い切った。

 令和最初の1番マグロは譲れない――。

 関係者によれば、木村氏は競り前に「100億円でも買う」と冗談交じりに話していたというが、その裏には昨年12月に亡くなった梅宮さんの存在もあった。

 2人は20年近く前から親交があり、01年に「すしざんまい本店」を築地に開業した際「オープンして一番最初に来てくれたのが辰ちゃんだった。すごくうれしかった」(木村氏)という。

 17年1月に亡くなった俳優・松方弘樹さん(享年74)を紹介してくれたのも梅宮さん。木村氏は「共通点はみんなマグロが大好きなこと。だから、一番いいマグロを自分が落とさないとダメ」と信念を明かした上で「松方さんに続いて、辰ちゃんも亡くなっちゃった。悲しい。今年の1番マグロをぜひ食べてもらいたかった…」と述べ、空を見上げた。

 落札した1番マグロはその後、本店でスピード解体された。採算を考えるならすし1貫1万円以上で提供しなければならないが、同社は例年通常価格で振る舞っている。

 この辺り、梅宮さんや松方さんのイズムを継承しているのかもしれない――。