和牛 M―1卒業発表で期待される“吉本漫才の顔”

2020年01月05日 11時00分

和牛(水田信二・川西賢志郎)

“史上最高レベルの戦い”と評された昨年の「M―1グランプリ2019」で、初めて決勝に進出した「ミルクボーイ」が優勝した。その一方で4位に終わった「和牛」が20年は出場せず、M―1から卒業することを発表した。

 01年に始まったM―1は、10年の大会を最後にいったん終了。15年に復活すると、和牛は全ての大会で決勝に進出した。15年こそ6位に終わったが、16~18年の3年間は準優勝。しかも最終決戦では、松本人志がいずれも和牛に投票するなど、優勝しても全くおかしくないネタを披露した。

 ここ数年は“M―1の顔”ともいえる活躍を見せた和牛だけに、M―1からの卒業発表にお笑い界は大きな衝撃を受けている。

 テレビ局関係者は「昨年の和牛は準決勝で敗退し、敗者復活戦を勝ち抜いて決勝に進んだが、準決勝で敗退したこと自体が大きなニュースとして報じられた。そんなコンビ、和牛以外ない。それだけでもすごいこと」と指摘する。

 また昨年の大会では、最後の最後に「ぺこぱ」に逆転され4位となり、最終決戦に進めなかった。「和牛が4位に落ちた際、松本さんが『衝撃』と発言したほど。でも3年連続準優勝の後の4位だから“敗退”というイメージが強いが、決勝4位というのはすごい成績だからね。それでも『敗退』と言われることが、逆に和牛のすごさを物語っている」(同)

 今年から和牛の姿がM―1で見られなくなることは寂しい限りだが、逆に「賞レースから解放された和牛の漫才を早く見たい」との声も大きい。というのも「和牛の漫才は、実はM―1に向いていない」との見方もあるからだ。

「ストーリー性の強い和牛の漫才は、前半はフリにして後半に向けて徐々に盛り上げ、最後に爆発させるという展開。でも4分という制限時間があるM―1では本来このスタイルは不利。ミルクボーイのように最初から最後までめちゃくちゃウケ続けるコンビがあると、どうしても見劣りしてしまうからね」(お笑い関係者)

 だが今後はM―1に合わせたネタを作る必要はなくなる。所属する吉本興業の劇場では短くても10分、長ければ15分、20分という持ち時間を与えられる。長い時間の漫才の方が持ち味が出るだけに、今後の和牛のネタに期待が集まっているのだ。

「同じように長い持ち時間の方が得意なのがナイツでしょう。ナイツもM―1の最高成績は3位で優勝できなかったが、その後は東京の寄席を中心に活躍。寄席も持ち時間が長いからね。今では東京漫才界を代表する漫才師になっている。和牛も吉本の劇場で活躍し続ければ、数年後には“吉本漫才の顔”のような存在になれるのでは」(同)

 M―1を卒業した後も、和牛の漫才に注目していきたい。