【デスク発ウラ話】高須基仁さん ロス疑惑・三浦和義さんにあきれられたことも

2019年12月26日 12時00分

“脱がせ屋”“毛の商人”と呼ばれた「モッツ出版」の高須基仁さん(享年71)が9月に肺がんのため亡くなった。体調がすぐれないとは聞いていた。「オレはもう死ぬんだ!」とわめいたこともあったが、実際に死の一報に接したときは、ショックだったのを覚えている。

 最初に出会ったのは、15年以上前になるだろうか。ある人の紹介で名刺を交換させていただいて、何かと気にかけていただいた。「土橋! スクープがある! 今すぐ事務所に来い!」と電話がかかってくることもしょっちゅう。ネタのない芸能記者駆け出し時代は「マジですか!?」と目の色変えて向かったものだ。

 ある時も同様に呼び出され「これがオレの学生時代だ」と一枚のモノクロ写真を見せてくる。そこには学生運動華やかなりしころ、防衛庁に丸太で突っ込む学生たちの姿があった。

「高須さんはどこ?」と聞くと、指でさしたのは先頭の学生。とはいえ、小さすぎて本人かどうかさっぱり分からない。そもそもこれのどこがスクープなのか、だまされた気持ちだったが、今振り返ってみれば、そうやって関係をつくったり、メディアに自身の存在感を示したかったのだろう。

 ある時も電話がかかってきて、何かと思えば「オレ、静岡出身じゃん。この前、静岡県警の暴力団担当の刑事と会ったんだけどさ、ケンカしてやったぜ。これ記事にできない?」と頼まれ「どんな記事にだよ!」とツッコミを入れたこともあった。ほとんど公にすることができないイベント「熟女クイーンコンテスト」も今では懐かしい。

 ある時は、高須さん同席でロス疑惑の故三浦和義さんと一緒になる機会があった。ほかにいたのは、AV女優の愛染恭子と当時14歳のTバックアイドルというよく分からない組み合わせ。すると高須さんはアイドルに対し「オッパイ触りたいな」「毛は生えてんの?」「男は女の股間をかぎたいんだよ!」などと、10代の少女にあるまじきセクハラ発言を連発。三浦さんから「警察に通報しますよ!」とあきれられる始末だった。ロス疑惑の人物からこんなセリフを放たれるのも、高須さんぐらいしかいなかったのではないか。

 さらに言おう。高須さんから「信頼していい」と紹介された某関係者の証言を元に、あるタレントの記事を紙面化したところ即、訴えられたのだ。筆者は「あの野郎…」と怒り心頭だったが、この訴訟はその後、面白い展開を見せ「芸能界を知る」という意味では大いに勉強になった。結果論ではあるが。

 もちろん、有意義な記事に協力してもらったことは一度や二度ではないことも強調しておきたい。ある騒動の渦中にあったタレントのインタビューをセッティングしてくれたことがあれば、有名芸能人が集う某ベンチャー企業の社長の怪しいパーティーに潜入させてくれたりといったこともあった。それもこれも高須さんという独自のキャラクター、そして人脈がなせるわざだったのだろう。

 百鬼夜行ともいうべき芸能界にあって、独特のポジションにいた高須さん。面白い時間を共有できたことは感謝してもしきれない。

(芸能デスク・土橋裕樹)

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