“昭和のタワマン”「ゲタバキ団地」著書も出版 愛好家が語る魅力

2019年12月12日 17時00分

ゲタバキ団地の本を出したけんちん氏

 日本全国にある公衆浴場の電気風呂約500か所を訪問し「電気風呂御案内200」(八画文化会館叢書)という本を出版して話題を集めたけんちん氏(39)が先日、「ゲタバキ団地観覧会」(同)という本を出した。

「ゲタバキ団地」とは、下層階に中華料理店や総菜店などの商店があり、上層階は公的機関が供給した住宅になっている構造。日本住宅公団(現UR都市機構)や地方住宅供給公社(各都道府県や政令指定都市が設立した公企業)などの公的団体によって昭和30年代を中心に多く建設された。

 本書には、さまざまなゲタバキ団地の写真が収録されている。阪南市街地住宅(大阪市阿倍野区/現存せず)や田町駅前市街地住宅(東京都港区)、瓦屋町市街地住宅(大阪市中央区)など、総戸数が300戸を超えるものから、30戸未満のものもある。

 団地愛好家の間で“ゲタバキ団地愛好家”として知られているけんちん氏は2003年、自身初めての引っ越しの際、ゲタバキ団地と出会った。半年間、予約待ちをしてようやく訪れた内覧に足を運んだときのことだった。「団地といえば、5階建てのものしかイメージができなかったものが、9階建てのアパートで1階から3階までスーパーマーケットが入っていて、屋上にはブランコとジャングルジムまであり、『なんじゃこれ~』ってなりました」(本書から)

 その後、日本国内にあるゲタバキ団地を回ってきた。その数は300か所。本には厳選された写真が並んでいる。

 けんちん氏は「ゲタバキ団地の魅力はなんといっても、今から60年以上前に都心居住者用の集合住宅として建てられていることです。当時周りに高い建物はあまりなく、今で言えばタワーマンションのようなものだったと思います。エレベーターや遮音性など、今でも十分通用する設備になっています。私も2軒目のゲタバキ団地に住んでいます。もうゲタバキ団地住人歴は16年になりますよ」と語る。

 令和の時代となってもいまなお色あせないゲタバキ団地。「昭和」という時代は、人々の記憶から消え去ることはない。