気鋭の美人弁護士が解説する新井被告“法廷ドラマ”の行方

2019年12月03日 17時01分

渥美陽子弁護士

 派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪に問われた元俳優新井浩文(本名パク・キョンベ、韓国籍=40)被告が、東京地裁に求刑通り懲役5年の実刑判決を言い渡された裁判は、同被告が即日控訴し、舞台は今後、高裁の控訴審に移る。名脇役が主演の“法廷ドラマ”は、どんな結末を迎えるのか。類似点も多いあの“2世俳優”の事件で代理人を務めた気鋭の“美人弁護士”が解説した。

 2016年9月だった。女優高畑淳子(65)の長男で俳優の高畑裕太(26)が強姦致傷容疑で逮捕されたが、不起訴処分に。群馬県警前橋署から釈放された時、2世俳優の傍らに立つ一人の女性に「あの美人は誰!?」とネット上や報道陣の間でちょっとした騒ぎになった。

 正体は渥美陽子弁護士。当時「無罪請負人」の異名を取る弘中惇一郎弁護士の法律事務所に在籍していた。高畑の代理人を務め、示談を成立させて不起訴処分にこぎ着けた。翌17年、独立。以降は芸能人絡みの案件の訴訟を手掛けている。

 ビジネスホテルの40代女性従業員に乱暴したとされた高畑と、派遣型マッサージ店の30代女性セラピストAさんと性交した新井被告。事件の態様は異なるが「似ている」との声も少なくない。

 今回の事件は昨年7月1日未明、新井被告が当時住んでいた東京都内の自宅で起きた。最大の争点は、同被告がAさんの抵抗を困難にするほど暴行した上で性交したか――だった。同被告側は、性交についてAさんと同意があったと誤信していたとの主張で、無罪を訴えた。

 17年6月に性犯罪に関する改正刑法が成立。110年ぶりの大幅改定で厳罰化され、強制性交等罪(旧強姦罪)は法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられた。こうした経緯もあり、2日の判決が注目されたが、東京地裁(滝岡俊文裁判長)は求刑通り、懲役5年の厳罰を言い渡した。

 新井被告の無罪主張はことごとく却下。「施術中に付け入った卑劣で悪質な犯行」と痛烈に非難された。Aさんの供述は全面的に認められた。

 渥美氏は「性行為に通常付随するような態様の行為は改正前、起訴するのも難しかった。そういった意味でも、新井さんの事案では起訴したことも暴行を認定したことも性犯罪への厳罰化の流れに沿った判決だと思います」と評価した。

 新井被告側は判決から30分ほどで〝スピード控訴〟。申請していた保釈も地裁に認められた。保証金は750万円。

 舞台は高裁での第2ラウンドに移る。

「控訴審では示談が成立するか否かが一つのポイントになります。仮に示談がまとまれば、実刑が執行猶予付き判決に変更される可能性もあると思います」と渥美氏は指摘。

 しかし「この事案ではAさんの処罰感情が強いです。控訴審でも新井さん側が無罪主張を維持するのであれば、示談は難しいのでは」とみる。新井被告は事件後、示談金2000万円を提示したが、Aさんは拒否。カネではないわけだ。

 となると、控訴審でも全面対決が続く可能性が高い。逆転無罪を勝ち取る可能性について渥美氏は「10%くらい。高くはないという印象」と指摘。一審判決維持の実刑判決の可能性が高いと予測した。

 最高裁までもつれる展開は「暴行の解釈などをめぐって持ち込むことはあると思います」としたが、やはり「最高裁で覆るような事案でもないかと」。一連の公判で「新井さんの供述は厳しいという印象。女性の証言が具体的」であるためだ。

 控訴審でギブアップして最高裁への上告を断念↓刑務所行きがクライマックスか。起訴前に示談にこぎ着けられなかったことが致命的だった。

 渥美氏は「性行為をする時は同意を得ましょうということ。これまで以上に」とズバリ指摘した。