元「KARA」ク・ハラさん自殺がベトナム韓流ブームに波紋も

2019年11月28日 17時00分

自殺したク・ハラさん

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】韓流ガールズグループ「KARA」の元メンバー、ク・ハラさん(28)の自殺は、日韓のみならず東南アジアでも衝撃ニュース扱い。

 特にベトナムでは地元紙「ベトナム・デイリー」などが大きく報じ、芸能ニュースサイト「サオ・スター」は警察の捜査状況、死に至る一因と噂されるSNSでの激しい誹謗中傷についても詳しく解説した。

 地元のツイッターでは、ハラさんに関するつぶやきが常に上位を占めている状態。

「ベトナムでは日本以上に韓国の音楽や映画などが人気で、若者の心をつかんでいる。ショッピングモールでは韓国レストランに若者たちが集まり、韓国への留学熱も高い。また“美容整形先進国”の韓国から整形外科医を呼び、病院を開業する動きも広がっている」とは、首都ハノイ在住記者。

 韓国は日本に先駆け、2000年代初頭から芸能コンテンツのアジア展開を始め、官民挙げて自国のドラマや映画、音楽を積極的に“輸出”した。現地のテレビ放送枠を買い取ってドラマを放映し、K-POPを流すと、これらが大ヒット。そんな戦略を参考に、日本が韓国を後追いする形で始めたのがクールジャパン政策だ。

「ベトナムで人気のメード・イン・ジャパンといったらアニメや漫画などオタク関連が中心で、芸能関係は圧倒的に韓流が勝っている。歌もダンスも、日本のコンテンツよりはるかにレベルが高いと評されているのが理由の一つ。韓流ドラマはストーリーがベタで分かりやすく、国を越えても受け入れられやすい。ベトナムでは若者の髪形やファッションも、韓流アイドルが手本になっている」(前同)

 折しも26日、アジアで活躍した韓流歌手や俳優らが一堂に会する「アジア・アーティスト・アワード」がハノイで開催された。仁川国際空港をたつ際は、チャン・ドンゴン(47)、少女時代のユナ(29)ら誰もが黒を基調とした服に身を包み、栄えある授賞式に出席しに行くというのに笑顔ナシ。ハラさんへの哀悼の意を表していたのは明らかだ。

 今年で4回目の同授賞式は、回線不具合で日韓でのネットライブ中継が中止になるハプニングも。ただ会場は大盛り上がりで、年間最優秀シンガーに選ばれたのはTWICE。彼女たちもやはり、離韓時は喪服をイメージさせる黒い服装だった。

 文化面で親しまれるようになり、韓国企業は昨今、ベトナム進出ラッシュが続いている。10年前、サムスン電子がスマホ巨大工場をベトナム北部に建設したのを皮切りに、エレクトロニクス、自動車、家電、飲食などさまざまな分野が進出。韓国経済にとって今や、ベトナムは大きな存在になりつつある。

 こうしたムーブメントを韓流エンタメが後押ししている。せっかくいい流れなのに、ハラさんの自死が水を差すようなことにならなければいいが。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「日本の異国」(晶文社)。