「ミシュランガイド東京2020」(29日発売)の掲載店が発表され、13年連続で世界一星の多い東京は“世界一の美食都市”の座を守った。星付きレストランは計226店。そんな裏で、TBSと出版大手KADOKAWAが歓喜しているという。

 日本ミシュランが26日に発表した今年の格付けは、「三つ星」が11店、「二つ星」が48店、「一つ星」が167店、「ビブグルマン(価格以上の満足感が得られる店)」が238店。

 日本ミシュランタイヤのポール・ペリニオ社長は「世界で最も多くの星付き評価の店が掲載された都市を維持している。今年も多くの新規掲載店があり、東京の変化の速さ、競争力の高さが表れている」と評価した。

 異変としては、2008年版から三つ星の評価を得てきた「すきやばし次郎本店」、10年版から三つ星の港区のすし屋「鮨 さいとう」が、一般客の予約ができなくなったことを理由に評価の対象外となり、ガイドから消えた。

 一方、歓喜の声が上がったのがTBSだ。木村拓哉主演で放送中のドラマ「グランメゾン東京」の監修をしているイノベーティブ(創作)料理店「INUA(イヌア)」が圏外から二つ星にいきなり登場したからだ。

「ドラマでは、複数の店が監修しており、木村がシェフを演じる店を監修するフレンチの『カンテサンス』は今年も三つ星。尾上菊之助がシェフを演じるライバル店の監修が『INUA』。二つ星を取ったことでドラマの視聴率にも好影響が出るのでは」(TBS関係者)

 さらに大手出版社も喜んでいる。「INUA」はデンマークの人気店「noma」が昨年6月、日本で初めて東京・飯田橋にオープンさせたが、そのパートナーがKADOKAWA。

「インバウンドを見込んでKADOKAWAが高級レストラン業界に参入。地産地消で肉料理はほぼなく、コースは2万9000円。二つ星獲得はKADOKAWA関係者もニンマリしてますよ」(出版関係者)

 ミシュラン効果がありそうだ。