徴用工銅像のモデルは「ジャイアント馬場さん」?

2019年11月21日 11時00分

日本人モデル説が論議になっている徴用工像(左)と韓国でも人気のジャイアント馬場さん

 日韓で結ばれたGSOMIA(軍事情報包括保護協定)が23日に終了することが避けられない情勢となっている。昨年10月、韓国大法院(最高裁)が、日本企業に賠償支払いを命じた元徴用工判決をきっかけに、日韓関係はこじれにこじれ、とうとう韓国がGSOMIA破棄を通告してきたわけだ。その発端となった元徴用工問題で今、韓国では「徴用工像は日本人がモデル」という論議が話題になっている。しかも“ジャイアント馬場さんがモデル”説まで飛び出した。

 韓国紙「中央日報」は先頃「『徴用労働者像は日本人をモデルにして作った』と虚偽の事実を流布した大田市議会キム・ソヨン(正しい未来党)議員や、落星台経済研究所研究員で『反日種族主義』著者のイ・ウヨン氏らを相手取り、労働者像を作った彫刻家が損害賠償請求訴訟を提起した」と報じた。

 労働者像を彫刻したキム・ウンソン、キム・ソギョン夫妻は「じん肺症や食事不足、強制労働などで体はやせたが、人生に対する意志、自由の意志を捨てなかった労働者を表現した」と説明し「訴訟を起こしたのは事実」と認めたという。キム夫妻は物議を醸した慰安婦像の作者でもある。

 これに対し、キム議員は1926年の日本の新聞に掲載された「北海道土木工事現場で虐待を受ける人々」というタイトルの記事に掲載された日本人労務者の写真がモデルだと主張。イ・ウヨン研究員も「今まで発見されたさまざまな徴用労働者写真の中で、やせこけて肋骨が出ている人物は、日本人労務者の写真が唯一だ」と反論した。

 韓国側にしてみれば、元徴用工問題のシンボルともいえる銅像のモデルが日本人だったとなれば、都合が悪いわけだ。

 韓国事情に詳しい文筆人の但馬オサム氏はこう語る。

「徴用工銅像のモデルが日本人労働者の写真ではないかという指摘は、日本のネット上ではわりと早い時期からありました。確かに昭和の初めごろまでは、悪辣(あくらつ)な雇い主によって劣悪な環境にいた労働者の例も少なくはありませんでした。当時は社会主義運動も盛んで労働争議も活発に行われていました。朝鮮人労働者の労働組合もあったそうです。労働組合のある奴隷がどこの世界にいますか。朝鮮人が奴隷労働を強いられていたなんて、戦後つくられたうそであるのは明らかです」

 むしろ、戦時徴用に関しては、いわば日本の国が雇い主。

「給料の取りっぱぐれもなく、食事その他の待遇も良いと、朝鮮労働者からはむしろ歓迎されていたというのが事実です」と但馬氏。

 さらに、この徴用工像のモデルに関しては、日韓のネット上では新たな噂も出ている。

 但馬氏は「徴用工像のモデルは亡くなったジャイアント馬場さんではないかというものです。確かに、細長い顔、同じく長い腕と大きな手、片手を上げたポーズも、リングアナにコールされたときのちょっと照れくさそうに観客に応える馬場さんのしぐさによく似ています。今にも銅像の左足が動いて、往年の16文キックが飛び出しそうな迫力です」と指摘する。

 99年1月に亡くなった日本のマット界の大スター・ジャイアント馬場さん(享年61)は韓国でも有名だ。

「民族の英雄・力道山の弟子ということで、馬場さんは韓国でも有名です。韓国にも馬場さんのコピーのような朴松男(パク・ソンナム)という巨人レスラーがいましたが、人気、実力、世界的な知名度で馬場さんには遠く及びません。おまけに朴は馬場さんのライバルだったアントニオ猪木さんにケンカマッチで叩きのめされています。彼が徴用工像のモデルということは考えられないでしょう」と但馬氏。

 馬場さんモデル説はあくまでネット上の都市伝説の域を出ないが、徴用工像のモデル論議は韓国と日本でこれからも続きそうだ。