元タレントの田代まさし容疑者(本名・政=63)が6日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで、宮城県警に逮捕された。8月23日に宮城県塩釜市の宿泊施設および11月6日に杉並区の自宅で、それぞれ覚醒剤を所持した疑いが持たれている。一部容疑を否認しているという。薬物関連の逮捕は5回目で、もはや数年ごとに繰り返される“恒例行事”となってしまった。

 この写真は10月1日、新宿歌舞伎町の小劇場で行われたお笑いライブ「ゆーとぴあホープ生誕70周年記念ゴールデンナイトショー」でのもの。エンディングで出演者全員が舞台に上がる中、照れくさそうに顔を出した場面だ。

 なぜ本紙がこの場にいたかといえば、事前に業界関係者から“ある情報”が寄せられていたからにほかならない。「おい、あいつまたクスリやってるぞ。そのうち絶対捕まるからな。今のうちに見といたほうがいいぞ」。できるならウソであってほしいと思っていたが、それは現実となってしまった。

 この関係者はこれまで芸能界で何人もの薬物中毒者を見てきた。「目はうつろで焦点が定まってないし、ろれつも回ってない。ちょっとひどくなってきてる」。長年の経験からくる勘なのだろう。最近の田代容疑者の言動に違和感を抱いたのだという。

 似たような印象を持っていた人間は少なからずいた。「あの人は普段から挙動不審の塊みたいな感じだけど、最近は特にトンでるというかヤバい雰囲気が増してきていた。周りでは『シャバで年は越せないでしょ』と噂してたよ」(別の関係者)

 一方で、感覚が研ぎ澄まされるのか警戒心は人一倍で、10月のライブでは舞台から会場後方の暗がりにいた本紙記者を見つけると、ササッと舞台袖に引っ込んだ。ちなみにこれまですべての逮捕・裁判を取材した記者は、田代容疑者とは浅からぬ“因縁”があり、顔を合わせるのはマズいと感じたのだろう。下戸にもかかわらず赤ら顔で酔っ払ったような雰囲気があり、視線が定まらないように見えたのは事実だ。

 薬物依存のリハビリ施設「ダルク」の職員として働き、薬物防止イベントなどに出演。ロクな調査もせず、こうした動きをNHKが過大評価したのだろう。7月にはEテレの情報バラエティー番組「バリバラ」に出演させ、田代はマーシー先生として、薬物に手を染めた経緯などを“講義”した。NHKはその後も、田代容疑者出演のイベントに密着するなどしていたようだ。

 これは前回の逮捕時と同じ。周りがおだてて復帰を“お膳立て”すると、いい気になってクスリに手を出す。本人が復帰を強く望んだにもかかわらず、後から「面白いことをやらなければならないプレッシャーがあった」などと言い訳をするから救いようがない。

 前回の逮捕時、田代は電撃ネットワークの南部虎弾(68)、中村ゆうじ(63)とユニット「ハッカ隊」を組んでいた。熱中できることがあれば二度とクスリに走らないはず、との願いを込めて南部が立ち上げたものだったが、その思いは届かなかった。南部は「芸能人が犯罪者になったんじゃない。犯罪者がたまたま芸能人になっただけ。田代まさしは死にました」と名言を残して田代容疑者を糾弾したが、数年前から交流を復活させていた。

 今回の逮捕を受け、南部は「やっぱり…」と消え入るような声でつぶやき、おえつを漏らしたという。思い当たる節がありながら、再び友情を信じたのだろう。田代容疑者は世界を股に活躍した“男の中の男”を、またも裏切った。