今から20年以上前、「人面魚」が発見され、一大「人面〇〇ブーム」が湧き起こったが、このほど、西アフリカのナイジェリアで「人面ヤギ」が“発見”され、話題になっている。

 人面ヤギは、ナイジェリア最大の都市であるラゴスの市場に出される前に、ある男性が見つけた。アゴが前に突き出していることから、しゃくれているように見える。老人と小学生を足したような感じもする。

 ラゴスは南アフリカ共和国のヨハネスブルクとともに「アフリカで最も危険な街」と呼ばれている都市だ。カネになるネタには誰でもすぐに飛びつく。SNSでこの人面ヤギの情報が広がると、これを商売にしようと考えた人たちによる争奪戦も始まった。

 ラゴス在住のビジネスマンのオジシロ・ウスンラ氏は「見せ物にしてカネを稼ごうとした人たちが奪い合いを始めたらしいのです。普通、雄のヤギなんかは、安値で売買されているものですが、その数十倍もの値段がついたみたいですよ。でも、結局、何者かが強引に奪っていってしまったようですね。ラゴスには、まともな仕事はありません。みんなカネをつかむためなら何でもします。殺人すら恐れることはありません」と語る。

 外国人がラゴスの街を歩くのは、大変な危険を伴う。武装強盗が各地区にいるので、彼らに奇襲されたら金品はおろか命さえも奪われかねない。ハイヤーキラーと呼ばれる“プロの殺人屋”もいる。ハイヤーキラーは、依頼者からカネをもらって人を殺す。

 ラゴスでは、仕事のない人たちは、何らかの方法で稼いでいくしかない。今回、何者かによって奪われてしまったとされる人面ヤギは、すぐに食用に供されることはないと考えられている。そのようなことをするよりも、見せ物目的で使った方がカネになるからだ。