お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実(44)が法人税だけでなく、源泉所得税と消費税も申告していなかったことが明らかになった。代表を務める個人事務所「チューリップ」は約1億円の申告漏れと、約2000万円の所得隠しを東京国税局に指摘されたが、徳井に支払う役員報酬に対しても源泉徴収を行わず、会社として徳井の所得税を申告していない時期があったという。ここまで来ると、納税の義務を怠った“国民の三大義務違反”。吉本興業内でも「かばいきれない」という声が上がっており、徳井は人生最大のピンチに直面している――。

 東京国税局に個人事務所「チューリップ」の申告漏れ1億円と、所得隠し2000万円を指摘された徳井が、個人の源泉所得税と消費税も未納だったことが明らかになった。徳井はチューリップの唯一の社員で代表取締役。同社から役員報酬などを得ていたが、同社は支払いの際に年間の所得にかかる税金を給与からあらかじめ差し引く源泉徴収を行わず、会社として徳井の所得税申告を怠っていたという。

 一部報道によると、調査を受けた直近7年間の追徴税額は法人税およそ3700万円、源泉所得税およそ4300万円、消費税およそ2100万円で、合わせて1億円を上回る。徳井はすでに修正申告と納税を済ませている。

「追徴税額で1億円を上回るのだから、徳井は少なくとも2億円以上を申告せずにフトコロに入れていたことになる」とは国税OB。

 徳井は一報のあった23日深夜に記者会見を行い、謝罪。リポーターから「個人の分の修正申告もされた?」と問われ「はい」と返答。金額については「ちょっと分からないです。必要であれば、また後ほどでいいですか」とケムに巻いていた。

 さらに徳井は昨年12月に追徴金など1億5700万円を一括で支払ったことを告白。「よく手元にありましたね」と取材陣を驚かせたが、徳井は「なんだかんだで働かせていただいておりますので」と得意げに語っていた。会見終了後、関係者が「1億5700万円ではなく、3700万円」と訂正する場面があったが、これは法人税のみの額。実際は、所得税等を含むため徳井の言うとおり1憶5700万円を支払っていた。法人、個人の税金を支払っていないのだから、すぐに用意できるのは当然だ。

 このほか、徳井はチューリップを設立した2009年から昨年までの9年間、1度も期限内に納税せず、無申告を繰り返し、指摘されるたびに修正申告していたことも分かっている。納税の義務は憲法でも定められている。しかし、徳井の納税意識は極端に低く「バレたら払えばいい」とさえ感じられる。

 吉本興業の担当者は本紙取材に「事実関係を調査中」と繰り返した。

 テレビ各局も徳井の“ヤバさ”をようやく理解し始めたようだ。TBSは徳井がMCを務める「人生最高レストラン」の26日放送分を休止に。中京テレビもレギュラー番組「前略、大徳さん」について、27日の出演を見合わせることを決めた。このほか、NHKは11月3日放送から出演予定の大河ドラマ「いだてん」の対応を協議中。フジテレビも事実関係を確認して判断する。

「この件を先行して取材していたのがTBSとフジテレビ。報道部員から問題の全容を聞き『これはマズい』となった。シャレにならないのはNHK。3月にピエール瀧さんが薬物で逮捕された際は撮影期間中だったため、何とか撮り直しできたが、もうとっくにクランクアップしている。担当者は頭が痛いでしょう」(テレビ関係者)

 次から次へと明らかになる新事実に、吉本内部からも「かばい切れない」という声が上がり始めているという。

 徳井は会見で「徳井が出ると気分が悪い、仕事をしなくていいと判断されたら、仕事ができなくても致し方ないと思ってます。僕を使ってくださるテレビ局、スポンサーの方にも、もう必要ないと言われたら致し方ないと思っている」と話していたが、本当にそうなりそうな雲行きだ。