猿回し師の村崎太郎(58)が25日、東京・中央区の時事通信ホールでデビュー40周年記念公演「さる軍団のハムレット」を開催した。

 猿の次郎(初代)とのコンビ「太郎次郎」で一斉を風靡した村崎が、芸能生活40周年記念で挑戦した舞台がシェークスピアの悲劇「ハムレット」だ。

 村崎が「芸人人生で初めて、笑いを狙わない舞台に挑戦した」という意欲作。主役・ハムレットは現在の相方である5代目次郎(オス・6歳)が演じた。もちろんキャストは太郎以外は全員、おサル。

「悲劇なのに、なぜか笑いが起こる」という世界中の誰もが見たことない舞台だったが、おサルたちは見事に演じ切った。従来の「飛んだり跳ねたり」という猿回しのイメージでなく、「表現」にこだわった内容。その後、行われた第2部では、さる軍団にしかできない豪快なアクロバット芸を披露し、観客も拍手喝采だった。

 終演後、本紙の取材に応じた村崎は「やっぱりね、最初の笑いが起きた時にホッとしましたよ。悲しさの中に笑いを生み出す、そういう振り幅を狙っていたんでね」と満足そうな笑顔を見せた。

 芸歴40周年には「40年たってね、初めて楽になれた。『別に笑いなんか取らなくていいや』ってね。そういう気持ちになれたことで、自分のやりたいことができるようになった気がしますよ」と明かした。

 ハムレットの次は「落語に挑戦したい。志ん朝の作品が好きで、いろいろと構想はあります」と意欲を見せた。