チクられたのか――。お笑いコンビ「チュートリアル」徳井義実(44)が設立した個人事務所「チューリップ」(東京・世田谷区)が、東京国税局から2018年までの7年間で約1億3800万円の申告漏れを指摘されていたことが発覚した。23日、徳井は会見を行い「申し訳ありませんでした」と謝罪。すでに修正申告と納税を済ませているが、好感度が高かっただけにダメージは大きい。気になるのは、なぜ発覚したかだ。関係者からは「周りからのチクりがあったと思う」とする説が飛び出した。

 吉本興業大阪本社には約100人の報道陣が集結。スーツ姿で現れた徳井は冒頭「税金を納めている国民の皆さまに対して多大なるご迷惑、不快感を与えてしまったこと、本当に申し訳なく思っております」と謝罪した。

 申告漏れの理由については、税理士から年ごとの申告を促されても先延ばしにしてきた「自身のだらしなさ」を強調。納税に対する意識が低かったという。「ごまかしていたのでは」との指摘には「そう思われても仕方がない」とした。吉本興業の処分は未定だ。

 徳井は、吉本から支払われるテレビ出演料などを「チューリップ」を通じて受け取っている。12~15年の4年間で、個人的な旅行代や洋服代など約2000万円を同事務所の経費として計上。これが仮装・隠蔽を伴う所得隠しと認定され、重加算税や無申告加算税など約3700万円の追徴課税を課された。既に修正申告し、納税している。

 登記簿によると、チューリップは2009年4月に設立。資本金は300万円で徳井自身が代表取締役を務める。本店所在地は15年に同じ世田谷区内で移転しており、くしくもこの日、強制性交罪の公判があった新井浩文被告の住んでいたマンションと同じ。

 同社の事業内容は「テレビ・ラジオ、舞台等の出演」「マネジメント業務」というものから「飲食店の経営及びコンサルタント業」「フランチャイズチェーン店の加盟店に対する市場調査。経営計画」など、芸人活動以外の分野にも及ぶ。同社は、16~18年の3年間の法人所得約1億円も全く申告していなかった。将来が不安定な芸能人が節税目的で個人事務所を構えることは多いが、ここまで事業範囲を広げているのは珍しい。

 ある芸能関係者は「徳井が飲食店をプロデュースしているとは聞いたことがない。登記に飲食店絡みの事業を書くことで、プライベートの飲食を市場調査名目で経費計上していた可能性もある」と話す。別の関係者も「いくら『だらしない』といっても、何年も申告しないで済まされるわけがない。意図的な所得隠しと言われても否定できない」と指摘する。

 それにしても気になるのは、なぜ今発覚したかだ。実は徳井が“狙われた”背景にはキナくさいウワサもある。元国税OBが証言する。

「申告漏れは良くないことだが、金額が巨額とは言い難い。国税が組織的に動いた形跡もない。この手のパターンは徳井さんの周りからのチクりがあって、それに従い税務署が調べたところからスタートしたのだと思う」

 つまり、近しい人間の密告説だ。あるお笑い関係者もこう言う。

「徳井が嫉妬されていたのは間違いありませんからね。『イケメン芸人は売れない』と言われていますが、そのジンクスを覆し、仕事には恵まれている。当然、女とはヤリ放題ですよ。旅行や洋服代を経費として計上していますが、女との交際に使ったのでは? 徳井が個人の会社を使ってうまくやっていることを知る人間は限られている。近い芸人仲間が情報を流したのかもしれない」

 吉本興業を巡っては6月に闇営業騒動が勃発。多くの所属芸人が声を上げるなか、徳井はひたすら“貝”だった。芸人たちが、同僚に足を引っ張られないか疑心暗鬼になっていることも本紙は騒動当時に報じた。

「実は徳井の申告漏れの話は春先に一部メディアがつかんでいた。吉本の闇営業問題に絡めて報じようとする動きもあった。その時点で徳井は修正申告済みだったが、いつ表に出るか内心ヒヤヒヤだったはずだ」(テレビ関係者)

 今後について徳井は「(世間やスポンサーなどから)必要ないと判断されたら、仕事ができなくても仕方がない」としょんぼりだが、ほとぼりが冷めたころに“犯人捜し”が始まるかもしれない。