作家で歌手の辻仁成氏(60)も台風19号の影響を受けた。12日に東京・渋谷区のオーチャードホールで生誕60周年記念コンサート「RENAISSANCE~60th ANNIVERSARY CONCERT~」を開催予定だったが、やむなく延期。来年5月24日に改めて開催することを発表した。現在のチケットはそのまま有効で、払い戻しにも応じる。

 辻氏は自身のSNSで「一年頑張ってきたから延期がベストってわかってはいるけど、頭も心も整理がつかない」(一部抜粋)とその胸の内を明かした。以前、本紙のインタビューに「仲間たちがコンサートをやろうという機運を盛り上げてくれて僕も『やるぞ!』という気持ちになりました」と話していたように、今回のコンサートは数多くのスタッフやファンが待ち望んでいた。台風直撃は不運としかいいようがないが、逆に“好転”の目も出てきたという。それは辻氏が望んでいた息子との「初の親子セッション」だ。

 辻氏は15歳の息子と初めて共同でラブソング「トワ・エ・モア」(君とあなたの意)を制作。デジタルリリースしたばかりだった。これを息子とセッションする計画もあったが、息子が「日本で有名になりたくない」と難色を示しており、今回のコンサートでは構成に入っていなかった。辻氏は息子を現在の生活拠点であるフランスに残して、1人で帰国していた。そんな中でコンサートが来年に延期。「親父が悔しい気持ちを抑えて、前向きに進む姿を見て、息子さんの心変わりもあるのでは」(芸能関係者)というのだ。

 辻氏は12日夕方に運営するウェブサイトで、コンサートを楽しみにしていたファンに向けて、動画で持ち歌「故郷」を披露し、メッセージを伝えた。フランスの息子にもその思いは届くか。