ラオスで初のアイドルグループ「Lao Navy」誕生 AKB意識しデビュー曲の歌詞は何と日本語

2019年10月10日 16時00分

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】東南アジアでも後発国のラオスで先月、初のアイドルグループが誕生した。その名も「Lao Navy(ラオ・ネイビー)」で14~21歳の7人組。内陸国ラオスに海軍(ネイビー)はないが、海軍の軍服がルーツのセーラー服をモチーフとしたマリンルックがコンセプトらしい。

 9月21日、ラオスでは数少ない大型ショッピングモール「ビエンチャンセンター」で開かれた「ジャパニーズ・カルチャーデー」(現地日本大使館主催)でのステージが、事実上のデビューイベントとなった。

 デビュー曲「Right on Navy!!」の歌詞はなんと日本語。やや舌足らずでローカル感タップリなパフォーマンスだが、観客は沸いた。なぜ日本語歌詞なのかというと、彼女たちはAKB48の海外姉妹グループを意識しているから。

 AKBグループは今やアジア各国で展開。インドネシア・ジャカルタのJKT48(2011年)を皮切りに、一昨年はタイ・バンコクでBNK48が結成された。昨年はフィリピンのマニラ、中国の上海、台湾の台北、ベトナムのホーチミンに進出し、日本のアイドル文化を伝える存在になっている。

 先駆けとなったJKT48は今やインドネシアの国民的アイドルグループに成長。日本商品のさまざまな広告媒体に登場し、文化と経済両方で日本を売り込んでいる。中心メンバーとして活躍した仲川遥香(27)は、JKT卒業後も現地で絶大な人気を誇る。

 当のラオスは周辺国と比べ経済的に立ち遅れているが、ここ5年は平均7%ほどの経済成長を達成。日系企業の進出も少しずつ増えている。隣国タイ在住記者によると「これまでラオスは厳しい経済状況もあり、あらゆる面で周辺国に依存する傾向があった。政治的にはベトナムと関係が深く、経済面ではチャイナマネーにドップリ。文化面ではタイの影響が非常に強い」という。

 というのも公用語のラオ語はタイ語とよく似た言語で、ラオスでは映画もドラマも音楽もタイものが大人気だからだ。

「自国コンテンツは予算も乏しく、内容がイマイチ。アイドルといえば、日本のラオスフェスティバルにもたびたび登場する“ラオスの歌姫”アレクサンドラくらい。若者はタイ文化に飛びつき、BNK48に夢中になる男子も目立つ」(同記者)

 そんななか、満を持して現れたのが、ラオス女子で結成された「Lao Navy」というわけだ。経済成長に伴い、自国のアイドルを応援したいという需要も高まりつつある。11月16日にはバンコク公演、12月8日には熊本でのステージが予定されている。ラオス航空が来月末、初の日本路線を開設する予定で、その就航地が熊本なのだ。

 他のアイドルと比べ、見た目は初々しいが、時流に乗って日本との懸け橋になれるか。(室橋裕和)

☆むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「日本の異国」(晶文社)。