ラグビーW杯日本大会が開幕する20日、日本代表はロシア戦を迎える。この一戦を地上波では日本テレビが生中継するが、視聴率トップ争いで火花を散らすテレビ朝日は、その裏で「アメトーーク! ゴールデン3時間SP」をぶつける。ともに闇営業問題で相方を失った「雨上がり決死隊」蛍原徹(51)と「ロンドンブーツ1号2号」田村淳(45)の“合体”が目玉だ。視聴率でラグビーW杯を撃破すれば、いまだ復帰できていない雨上がりの宮迫博之(49)、ロンブーの田村亮(47)の「まさかの復活があるかもしれない」と注目されている――。

 蛍原と淳が共演するのは「アメトーーク! 3時間SP」の中の企画。淳は「『雨倫』またいつの日か4人で笑えますように 踊りたくない芸人 亮さんの代わりに 踊れる側で呼んでもらいました アメトーークSP見てね」とツイートしている。

 まさにこの時間帯、年間・年度視聴率で3冠王を争う日テレではラグビーW杯中継がある。午後6時25分からの開会式中継に続き、同7時30分から日本対ロシア戦の放送に入る。「アメトーーク!」は同7時から。ほぼガチンコ勝負となっている。

 テレビ局関係者は「母国開催のラグビーW杯初戦ということで、日本中の注目が集まっているため、テレ朝は視聴率的に苦戦することは事前に分かっていた。そこで、ともに相方が休業中の蛍原さんと淳さんを共演させるという“荒ワザ”に出た。完全に開き直って勝負に出てますね」と指摘する。

 蛍原と淳がタッグを組むとなれば、話題性も十分だ。「闇営業問題をイジるだけで、確実に笑いになりますからね。共演者にイジられる蛍原さん、淳さんのリアクションも興味深い。これ以上の話題作りはない。ギリギリのラインを攻めている」(前同)。

 2人は「踊りたくない芸人」というトークテーマで共演する。テレ朝の番組ホームページでも、2人の笑顔写真が目立つように掲載されている。2人の登場シーンは放送開始直後の午後7時すぎが予定されていて、ここにもテレ朝の「打倒・日テレ」にかける強い思いが感じられる。

「ラグビーのキックオフは午後7時45分。その前の午後7時すぎから話題の2人を登場させて、視聴者をしっかりと『アメトーーク!』に確保する狙いがある。もちろんチャンネルを変えさせないようにするためだ」(前同)

 前出のように今年、日テレとテレ朝は激しい視聴率争いを繰り広げている。両局とも年末まで息の抜けない日々が続くことになる。だからこそテレ朝はラグビーW杯開幕戦に蛍原&淳という“話題性最強タッグ”をぶつけてきたのだ。

 2人のコンビ出演は対日テレという意味合いが大きいが、それと同時にいまだ復帰の道筋が見えない宮迫、亮の将来を占う“一戦”ともなりそうだ。

 テレ朝関係者は「今回、日テレの数字を削れば削るほど、上層部の見る目が変わってくる。存在感を発揮すれば『雨上がりとロンブーはやっぱりテレ朝にとって必要』となる」。視聴率で勝てないまでも、肉薄すればテレ朝上層部の考えを変えることはできそうだ。

 テレ朝は雨上がりの「アメトーーク!」だけでなく、ロンブーの「ロンドンハーツ」も放送しており、2組にとっては最も縁があるテレビ局。今回、好結果が出れば、テレ朝局内での“地ならし”になり、ひいてはそれが早期復帰につながるのだ。テレ朝が決断すれば、他局に広がることは言うまでもないだろう。

 宮迫と亮の復帰への足がかりとなるか――それが「アメトーーク!SP」対ラグビーW杯日本代表戦の視聴率争いの“裏テーマ”だ。

【日テレはラグビー漬け編成】W杯日本大会は日テレとNHK、J SPORTSが放送する。20日はNHKがBS1で午後6時から、J SPORTSは同6時15分から開会式と日本対ロシア戦を伝える。6日の日本対南アフリカ戦に続く地上波、BS、CSの3局同時中継となる。日テレは開幕戦終了後の午後9時45分から、W杯1995年南ア大会での同国代表を題材にした映画「インビクタス」(クリント・イーストウッド監督)を放送するラグビー漬けの編成を組んだ。