自称芸能人の坂口杏里(28)が、30代のホストの自宅マンションに正当な理由なく立ち入ったとして、住居侵入容疑で逮捕された事件が話題となった(その後、不起訴処分となり釈放)。

 一般人のストーカー被害が社会問題化しているが、最近は芸能人が悪質なファンの標的になることも少なくない。元NGT48の山口真帆も自宅マンションで暴力行為を受けた。そこで各芸能事務所は、所属タレントの自宅に押しかけられた場合の対策を練っているという。

 専門家によれば、ストーカー被害を水際で防ぐ自宅侵入対策の一つとして有効になりそうなのが“電子錠”。自宅の開け閉めを通常の鍵ではなく、スマートフォンや交通系ICカードをかざして行うタイプだ。

 日本は見慣れた通常タイプの鍵で施錠する家庭が多く、その割合は9割超とされる。しかし海外では電子錠が普及。韓国の家庭では、電子錠の設置率は70%超とのデータもある。

 鍵のトラブル解決を専門とする会社「SLS」(大阪府吹田市)のマーケティング部・山本千恵氏は「一番怖いのは“鍵をかけていれば安全”という間違った認識が日本中で広がっている現実です」と指摘する。

「鍵には『鍵番号』があり、それが分かれば1~2日で合鍵を作れてしまう。例えば、喫茶店で机の上に鍵を出している女性の方もいらっしゃいますが、今のスマホは性能が良い。スキを突いて写真を撮られると鍵番号を“盗まれて”しまう。今の日本は、家に誰が侵入してもおかしくない状況です」

 最近は、インスタグラムやツイッターなどSNSに写真をアップする芸能人は多い。うっかり鍵の写真が写り込み、そこから盗まれることも考えられるだけに、電子錠は一考に値するかもしれない。