“バックレ”区議への脅迫容疑で事情聴取 N国党・立花党首は事件化を歓迎

2019年09月10日 17時00分

事情聴取前に月島署前で報道陣に対応した立花氏

 NHKから国民を守る党の立花孝志党首(52)が9日、脅迫事件の容疑者として、警視庁月島警察署で任意の事情聴取を受けた。今年7月、二瓶文徳中央区議(25)が「立花氏からユーチューブ上で脅迫を受けた」と被害届を提出したものが事件化。立花氏は「事件になってくれてよかった。こんなので有罪なら議員辞職する」とむしろ歓迎しているのだ。

「刑事事件としてはじけてくれたことはむしろ大歓迎。朝からうれしくて仕方がなかった」と月島警察署での聴取前に喜んだのは、刑事事件の容疑者となった立花氏だ。単なる強がりなのか?

 二瓶氏とのトラブルは今年4月の統一地方選にさかのぼる。立花氏は、N国党の税理士で元自民党の中央区議だった二瓶文隆氏(60)に依頼され、中央区議選に息子の文徳氏をN国党で公認。文隆氏もN国党公認で江東区から出馬し、親子揃って当選した。

 ところが、6月末に親子揃って、N国党からの離党をSNSで表明。この間、党側にひと言も連絡を入れていなかったため、立花氏は「今はやっているバックレですよ。N国党の看板を背負って、当選したのに、何の説明もないまま有権者への裏切り、詐欺行為だ」と激怒。その怒りはすさまじく、ユーチューブ上で「オヤジの方は先がないからあれだけど、25歳の息子は徹底的に叩く。こいつの人生潰しにいきますから」「二瓶文徳をぶっ壊す」と徹底的に攻撃した。

 動画公開直後、視聴者から「言い過ぎではないか」「脅迫ととられかねない」と指摘されていたが、立花氏は「脅迫に当たるかもしれない。それでも議員辞職するまで徹底的に叩く」「国民をだまして議員報酬1300万円を得る合法的詐欺は許せない」と強調。

 自身の参院選当選後もマツコ・デラックスやTOKYO MXへの抗議活動と並行し、二瓶氏を糾弾し続ける怒りようだった。

 ところが、二瓶氏は動画に対し「脅迫された」と被害届を提出。この日、警視庁捜査1課が立花氏の聴取を行った。国会議員が容疑者となれば、大事件だ。直近では自民党の石崎徹衆院議員(35)が秘書への暴行疑惑で警察の事情聴取を受けている。イメージを何より大切にする国会議員とあれば、致命傷となりかねないが、立花氏は冒頭の通り、この状況を望んでいたという。

 事情聴取後、国会内で会見した立花氏は100人近く集まった記者やユーチューバーを前に「こんなに来てるの?」と驚きながらもしてやったりの表情。二瓶氏とのトラブルはこれまでメディアに扱われることは皆無だったが、事件化したことで「二瓶氏の不誠実さを多くの人が知ってくれる」と自らの“正義”をようやく世間に主張できるというわけだ。

 もちろん、脅迫罪の成立要件を満たす可能性があると自覚していたとして、起訴され有罪となれば、2年以下の懲役または30万円以下の罰金となる。有罪となった場合、徹底抗戦する構えで、最高裁まで争うが「有罪なら辞職する」と宣言した以上、バッジを外す可能性もある。

 それでも「党勢拡大のために注目を集めないといけない」と言い続ける立花氏は炎上覚悟で話題を振りまいてきた。これまでも地方議員を任期途中で辞め、参院議員になった後も衆院選への鞍替えを検討。「国会議員にこだわっていない。身分を守ろうとするからこの国の政治は改革できない」(立花氏)とバッジにしがみつく気はみじんもない。今回自らが容疑者となったことはこれ以上ないインパクトの“ニュース”となったワケだ。

 ちなみに立花氏は過去5回、NHKや日本維新の会の議員などから刑事告訴され、いずれも不起訴だった。「嫌がらせばかり受けている。前科はありません」と胸を張った立花氏。10日には、二瓶氏が出席予定の中央区議会に押しかけ、直接本人に抗議するという。