吉本興業 文春の「兼近前科報道」に法的措置を検討

2019年09月05日 16時39分

EXITの兼近

 吉本興業は5日、この日発売の週刊文春が報じたお笑いコンビ「EXIT」兼近大樹(28)の報道に対し、発行する文藝春秋社に対して抗議、さらに民事・刑事上での法的措置を検討していることを公式サイトで発表した。

 同誌によれば、兼近はタレントになる前の2011年4月、女子高生に売春のあっせんをして売春防止法違反容疑で逮捕され、罰金刑10万円の有罪判決を受けた。兼近は同誌の取材に「はいはい。そうです」とあっさり認めた。「正直、いつか絶対バレることなんで、吉本にはずっと話していて」と事務所に報告していたが、「吉本からは『誰にも言うな』『絶対ダメ』って言われて」とぶっちゃけた。

 吉本は、前科を報道したことに「弊社所属タレントに限らず、ある者が刑事事件につき被疑者となり又は有罪判決を受けたという事実は、その名誉又は信用に直接関わる事項として、プライバシー権・名誉権による憲法上の保護を受けることが裁判例上確立しています。そして、その者が有罪判決を受けた後は、更生し、社会に復帰することが期待されているところ、公益を図る目的なしに前科に係る事実を実名で報道することは、不法行為を構成し得る行為とされております」と指摘。さらに「未成年時の前科に係る事実を、その事件から長期間経過した後に、正当な理由なく軽々に実名で報道することが許されるとすれば、未成年の者についてその後の更生の機会を奪ってしまうことになりかねず、社会全体として非常に危惧すべき問題であることは明白です」とした。窃盗に関わりがあったのではとされる記述については「本件記事は、兼近が何らの刑事処分を受けていない事実についても、あたかも兼近が犯罪行為を行ったかのように伝えており、この点においても弊社所属タレントへの著しい権利侵害となるものです」と強く抗議した。

 吉本は兼近から過去を知らされ、相談を受けていたが「兼近がその後自らの行為を反省、悔悟し、当時の関係者とは一切の関係を断ち切り更生して新たな人生として芸能活動を続けており、また、上記のとおり未成年時代の前科という高度のプライバシー情報であることも鑑みて特段の公表はせずにおりました」と説明した。文春に対し、事前に「本件記事は公益性なく弊社所属タレントの前科を実名で報道するものである」「しかも、当該前科はタレントが芸能活動を開始する前の未成年の時点におけるものである」「何ら刑事処分を受けていない事実についても、あたかも犯罪行為を行ったものであるかのように報道するものであり、兼近の人権を著しく侵害するもの」と伝えていたが、「これらの点を全く考慮することなく、本件記事を掲載」と指摘。文藝春秋社に対し「本件記事を掲載した行為について強く抗議するとともに、民事・刑事上の法的措置についても検討して参る所存です」としている。