吉本興業は2日、反社会的勢力との闇営業問題などを巡って設置した「経営アドバイザリー委員会」の3回目となる会合を東京・新宿区の同社東京本部で開催した。

 終了後、同委員会の座長を務める国際医療福祉大学教授の川上和久氏が会見を行い、反社会的勢力との断絶などを明記した「共同確認書」について、一部持ち帰ったタレントがいるものの、現時点で約1000人と書面を交わしたことを確認したと報告。同社は年内をメドに約6000人の全所属タレントと交わす方針で進めていることも明かした。

 また、同社とタレントの“ギャラ配分”について、一部のタレントからは「(会社が)取りすぎなんじゃないか?」と不満が噴出。「料率を透明化」を求める声が一番多かったという。

 7月22日に岡本昭彦社長が行った会見で「“会社が9、タレントが1”ということはまったくない。ざっくりとした平均値でも“5対5”から“6対4”」と説明。しかし、これに所属芸人たちは反論していた。

 川上氏は吉本側から「私たちがうかがった例でいえば、テレビ局は吉本が9割を頂いて、1割を芸人ではない。だいたい半額前後が支払われていると、説明は頂いた」とした。

 また、出演料について「テレビ局と『このくらいの金額で受けて、あなた(のギャラは)はこのくらいです』としっかり開示すると。そういう方向でやっていきたい、ケースバイケースで丁寧に開示をしていくと説明がありました」と続けた。

 同社は開示の時期について「(タレントから)求められれば、今すぐにでも開示する」と明言。ただ、すぐに分からないイベント出演料などは時間がかかることを補足説明したという。

 また、先日、芸能事務所がタレントとの間で交わす契約や取引について、どのようなケースが独占禁止法上問題となり得るか、公正取引委員会が具体例をまとめたことに関する質問も出た。

 その中にはテレビ局への圧力もあったが、川上氏は「委員会の中で、契約にあたって『優越的地位の濫用』について『優越的地位を利用して、という発想はないです』『吉本を辞めた芸人さんにも一切ない』と説明を受けました」。同社からは「契約を結ぶ中で、芸人さんの方が強いというお話があった」とした。

 また、報道陣からは、経営トップである岡本社長の“パワハラ体質”を問題視する質問もあった。

 これに川上氏は「(吉本興業)内部のガバナンスの問題。今回まではコンプライアンス問題でしたが、第4回はガバナンスをやる予定。ここで委員から厳しいご指摘もあると思う。それはガバナンスの問題として、第4回で出てくると思います」と説明した。