“男・山根”が大騒動から1年を経てほえた! 日本ボクシング連盟前会長の山根明氏(79)が、タイ発祥のプロボクシング組織「WSCS(ワールド・ストリート・チャンピオン・シップ)」世界ヘビー級チャンピオンの高橋知哉(31=BONECRASH)と合体し、新団体「WYBC(ワールド・ヤマネ・ボクシング・チャンピオンシップ)」を設立するとブチ上げて話題になっている。新団体の名誉総裁に、ビートたけし本紙客員編集長(72)へラブコールを送った。

 山根氏の新団体WYBCは、9月29日に旗揚げ戦となる世界統一戦(京都・KBSホール)を開催する。カードは高橋とWNFC(ワールド・ナックル・チャンピオン・シップ)世界王者のダニエル・ハット(ブラジル)の対戦だ。勝者に「WYBC王者」の称号が与えられる。

 新団体設立に至る経緯について、山根氏はこう振り返る。

「騒動の後は、表現もできないほどのつらさがあった。地獄見たよ。ボクシングにタッチもしたくなかった。それでもな、俺はヤンチャ(な人間)が好きなんや。ヤンチャがスポーツによって大成していく。それに生きがいを感じる。あいつはアカンと言うんやなくて、手を握ってやって『頑張れ』って言ってやればええ。そんな時に出会ったのが高橋や」

 山根氏と高橋は半年ほど前に知人を介し、知り合ったという。

「最初見たときは『このガキが』と思った。でもな、高橋を見て赤の他人と思えんかった。ケンカばっかりしとったそうやけど、俺も昔はケンカばっかりしとったからな。22~23歳のころに、すれ違った男に肩をぶつけられて、ケンカになった。みぞおちに足蹴り食らって、首を羽交い絞めにされて息もでけへんくらいやったけど、キンタマつかんでしばいたった。後で聞いたら、空手の有段者やった。話はそれたけど、ケンカの強いやつは持って生まれたもんがあるし、どんな競技でもちょっと横道にそれるような子の方が大成してることが多い。そんな高橋の新鮮さが魅力的やった」

 こんな山根氏は今年2月、ビートたけし本紙客員編集長が審査委員長を務める「第28回東京スポーツ映画大賞」と同時表彰の「第19回ビートたけしのエンターテインメント賞」話題賞を受賞した。自宅には当時の写真が誇らしげに飾られている。

 山根氏は「ビートたけしさん、大好きなんだよ。あの人は大物。人の心を刺してくる。言葉じゃない。体で感じる。俺の本の帯も書いていただいたし、感謝してるよ。ぜひ新団体を応援してもらいたいね。名誉総裁? 面白いな。忙しくて難しいかもしれないけど、相談に行ってみたいね」と、たけしに名誉総裁就任を打診するという。

 高橋もこれには「ぜひ言って(伝えて)みてくださいよ。ベルトを会長に巻いてもらって、トロフィーをたけしさんにもらえるなんて最高やないですか」と目を輝かせた。

 1年前の騒動を大々的に報じた本紙には「1面でワンサイドでボコボコにしてくれたな。コンビニに牛乳買いに行ったら『山根』って書いてるから、パッと見たら俺や。今でも家に新聞置いとるけどな」。

 それでも騒動を経た後に高橋と出会い、新団体結成に至ったことが本当に幸せそうで「人間真っすぐに生きとったら、必ず分かってくれるんじゃないかと思ったね。第2の人生が始まって本当に幸せやし、新団体に希望と野望を持っている。90歳まで生きたいと思っていたが、あと20年、100歳まで生きたくなった。山根明が世を去った後も、アマチュアもプロも関係なく、青少年育成の教育の一環として、やっていってもらいたい」と夢は尽きない。

 WYBCにはすでに、フリーランスの選手を中心に、参戦希望の連絡が届いているという。

 山根氏の熱意を受けた高橋も「いろんな国の選手に参戦してもらって、世界の橋渡しになればいい。そのために、旗揚げ戦を勝利で飾りたい」と意欲十分だ。

 どんな新団体になるのか目が離せない。