前日(26日)に吉本興業所属となったことを公表したタレント・なべおさみ(80)が27日、京都市のよしもと祇園花月で行われた吉本新喜劇に早速、登場した。

 川畑泰史座長(52)公演で、川畑に余命宣告する死神役で出演したなべは終演後「劇場に来たら正面から入れなくて『こちらでございます』と案内されたのが裏口でした」と、1991年に起きた長男・なべやかん(49)の「明治大学替え玉受験」をネタにして笑いを誘う。続けて「5月1日付で吉本に所属しました。今後、こういう出演機会もたびたびあるかと思いますので、新人なべおさみをごひいきにしてください」と改めてあいさつした。

 その後、報道陣の取材に応じ「80歳になって活躍するチャンスを与えてくれてうれしい。何歳で滅するか知らないが、死ぬまで舞台に立ち続けるのが役者の夢。それを全うできるように頑張っていきたい」と意気込んだ。

 川畑が「子供の時によく見ていたが、妙なことで知る機会もあったり」と語るように、かつてテレビをにぎわせたなべも替え玉騒動後は、出演機会が激減。本人も「30年、海の底にいるような芸能人生活をしてきた」と話し「どんな小さな仕事も巨大な喜び。80歳という年齢を考えると、何とかしてやろうというプロダクションはあまりない」と受け入れてくれた吉本興業に感謝した。

 再び、舞台に立つのは2016年に他界した夫人で元女優の笹るみ子さん(享年76)の願いだったという。病床にあったるみ子さんの最後の言葉は「あなたはなべおさみよ。なべおさみなんですからね」。亡き妻の思いをかなえ「この喜びは女房に伝えてやりたかったですね…」と言葉を詰まらせると「妻も見てくれたと思う。最高のうれしさです。天上で女房から(吉本興業会長の)大崎さんらに働きかけてくれたのかなと思います」と語った。

 また、所属決定後に吉本興業が闇営業騒動に揺れていることについては「(所属の)お話を頂いて『ちょっと待ってね』と言われていたんですが、ほとんどテレビ、雑誌、新聞は見ないようにしていたので、よく分かりません」と多くを語らなかった。