ロック史に残る名曲「いとしのレイラ」などで故デュアン・オールマンが弾いたギブソン・レスポールのエレキギターが、このほど米ジョージア州メーコンで開かれた競売に出品され、驚きの125万ドル(約1億3300万円)で落札された。

 デュアンは1971年にリリースされたエリック・クラプトンらによるロックバンド、デレク・アンド・ザ・ドミノスのアルバム「いとしのレイラ」のレコーディングにゲスト参加。アルバムと同名の表題曲では、印象的な前半部分でクラプトンのギターに対し、デュアンはスライドギターで競演した。

 その際に使用したのが今回落札された1957年製の“ゴールドトップ”と呼ばれるレスポールモデル。最近までメーコンにある「オールマン・ブラザーズ・バンド・ミュージアム」に展示されていた。

 オールマン・ブラザーズ・バンドとは、デュアンや弟のグレッグらが中心となり、60年代に結成されたサザンロックバンドだ。

 ミュージアムのリチャード・ブレント館長は「(落札額が)そんな高額になるとは誰も思いもしなかった」と驚いた様子で「その歴史の重みを物語ったということでしょう」と語った。

 館長によると、落札者は市外の音楽コレクターだが、本人の希望で氏名は公表していない。館長はまた、落札者がミュージアムを訪れるファンを尊重して、11月には同ミュージアムでギターの展示を続ける意向であることを明かした。

 このギターはデュアンがオールマン・ブラザーズ・バンドの最初の2枚のアルバムでも使用している。そのデュアンは71年、24歳の若さでオートバイ事故により亡くなった。

 米音楽誌「ローリング・ストーン」による2003年の「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」では、ジミ・ヘンドリックスに次ぐ第2位に選出された。