吉本が「タレントと書面で契約締結」へ方針を急転換したワケ

2019年08月09日 17時00分

吉本興業の経営アドバイザリー委員会初会合

 反社会的勢力の会合に所属芸人が参加した闇営業問題に端を発した一連の騒動に揺れる吉本興業に対して、改善についてアドバイスする「経営アドバイザリー委員会」の第1回会合が8日、東京・新宿の吉本興業東京本部で行われた。

 同委員会の座長を務める国際医療福祉大学教授の川上和久氏が会見を行い、内容について説明。同氏によると、話し合われたのは反社会的勢力との決別と、所属タレントとの契約についてだったという。

 契約については、吉本に所属する約6000人のタレントと共同確認書を交わし、その上で、専属マネジメント契約か専属エージェント契約をタレントの意思で結ぶことを提言した。いずれの契約も書面で交わされるもの。会合には岡本昭彦社長も出席したが、この提言に対しては、誰からも異論はなかったという。

 ただ、吉本が書面で契約書を交わす方針を決めたのは先月25日のこと。それまでは大崎洋会長が、書面の契約は交わさない方針と明言していた。さらに“グダグダ会見”と言われた同22日の岡本社長の会見でも、この方針を堅持する意向を示していたが、24日に公正取引委員会の事務総長が、吉本の契約形態を「競争政策上、問題だ」などと発言したのを受け、慌てて方針を転換した格好となった。

 これには吉本がNTTと共同で立ち上げた新事業「ラフ&ピース マザー」が関係しているとみられる。同事業は官民ファンドのクールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)から、最大100億円の出資を受けることになっているからだ。

「官民ファンドからの出資は税金も投入される。もし公取委から独占禁止法違反の疑いがあると指摘されれば、出資を見直される可能性が高い。そこで慌てて、所属タレントと書面で契約を交わす方向に転換したのだろう」(テレビ局関係者)

 初会合後、川上座長がわざわざ会見を開いたのも、公取委へのアピールだったのかもしれない。