角川春樹氏 最後の監督作品主演に松本穂香を抜擢

2019年08月06日 06時00分

角川春樹氏

“巨匠”角川春樹氏(77)が生涯最後の監督作となる映画「みをつくし料理帖」を製作することを5日までに、明らかにした。

 角川氏といえば、プロデューサーとして1976年の「犬神家の一族」を皮切りに、「人間の証明」(77年)、「セーラー服と機関銃」(81年)、「蒲田行進曲」(82年)、「時をかける少女」(83年)など数々の名作や大ヒット作の製作を手掛けた。映画、出版、テレビなどメディアの垣根を越えて大暴れし、「時代の風雲児」と呼ばれた。

 また、製作にとどまらず、自らメガホンも取ってきた角川氏。8本目となる生涯最後の監督作として選んだのが「みをつくし料理帖」だった。

 原作は髙田郁による時代小説で同名の「みをつくし料理帖」。天涯孤独な少女・澪が、料理の腕一本を頼りに江戸へ。艱難(かんなん)辛苦を乗り越え、一流の女料理人を目指す同作は、これまでにシリーズ全10巻が刊行されており、累計400万部を超える大ベストセラー小説だ。

 2012年、14年には、テレビ朝日系にて北川景子主演でドラマ化。17年にもNHKで黒木華主演で連続ドラマ化されている同作。角川氏が初めて劇場版映画を決定し、今年8月にクランクインを予定している。

 製作決定に伴い、メインキャスト3人も発表。角川氏といえば、オーディションで薬師丸ひろ子や原田知世らを発掘。映画デビューさせ、多くのスターを生み出したことでも知られる。

 そんな角川氏が最後の監督作で主演に抜てきしたのは、松本穂香(22)。18年7月期のドラマ「この世界の片隅に」(TBS系)で主人公・すず役に選ばれ、一躍脚光を浴びた若手実力派女優だ。

 また、澪と幼なじみの野江を演じるのは、18年のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」で注目を集め、今秋に公開を控える映画「ハルカの陶」で映画初主演を果たす、女優の奈緒(24)。

 また、江戸の吉原で頂点を極めるあさひ太夫を守る男・又次を俳優・中村獅童(46)が演じる。

 角川氏は最後の監督作に選んだ理由について「髙田郁さんの『みをつくし料理帖』が発刊されて10年、何度も映画化の話が持ち上がっては流れてきた。今になって振り返ってみると、全てが眼に視(み)えない世界によって、私が製作・監督をすることが決定されていたと思われる」とコメントを寄せた。

 また、主演に抜てきした松本については「松本穂香の衣装合わせに同席した私の秘書は、無意識に、『澪ちゃんが此処(ここ)に立っている』とつぶやいた。松本穂香も運命によってスクリーンに登場する。私はこの映画に身を尽くす」と話した。

 松本は「『みをつくし料理帖』という、たくさんの人に愛されている作品の映画化! しかも主人公ということで、初めは驚きましたが、今は澪を演じられる幸せな気持ちでいっぱいです」と喜びを語り、「澪という人は、芯の強さ、周りを包み込むような優しさをいっぱいに持っている人だと思っています。そんな澪を演じることで、物語の中に流れるあたたかさを、見てくださる皆さんにも感じていただけるように、精一杯頑張りたいと思います!」と意気込んでいる。