雨上がり決死隊の宮迫博之(49)、ロンドンブーツ1号2号の田村亮(47)らの闇営業問題は、吉本興業のお家騒動に発展している。一向に収束する気配が見えない状況で、心配されているのが、ダウンタウンが出演する大みそか恒例の日本テレビ系特番「ガキの使いやあらへんで!」の「笑ってはいけない」シリーズだ。一部で放送中止の危機とも報じられたが、悲願の“紅白超え”に追い風と見る向きもある。

 闇営業問題に端を発した騒動は、いつの間にか“吉本興業のお家騒動”に発展した。

 極楽とんぼの加藤浩次が、MCを務める「スッキリ」(日本テレビ系)で、自身の退社を示唆しながら経営陣に進退を迫る“加藤の乱”が勃発。 さらに、ダウンタウンの松本人志まで、出演する「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、吉本興業の体制が改善されない場合「僕が全員芸人連れて出ます」と退社する覚悟を明言。“松本の乱”まで起こる始末だ。

 ネット上では早くも、松本と浜田雅功のダウンタウンが出演する大みそか恒例の日テレ系の特番「笑ってはいけない」シリーズの放送中止を心配する声が出ている。

「吉本制作の番組は各局にありますが、人気番組といえば、日テレの『笑ってはいけない』シリーズでしょう。9年連続で民放各局の大みそか特番の視聴率トップで、常に15%前後の視聴率(関東地区)を叩き出す。しかし、お家騒動が泥沼化しており、松本まで吉本の対応次第で退社する意向を示唆。ファンにとって“笑える状況じゃない”ため、このままなら中止の可能性もある」(お笑い関係者)

 さらに逆風なのは、一連の騒動の中で明かされた吉本興業の岡本昭彦社長のパワハラ発言だ。

「お前ら、テープ回してないやろな!?」「全員連帯責任でクビにするからな」「俺にはお前ら全員クビにする力がある」などと宮迫、亮らに発言したことが明らかに。

 他の芸人からも岡本社長のパワハラ言動を明かされ、企業体質にも批判が寄せられる事態になっている。

「『笑ってはいけない』シリーズは、罰ゲームでレギュラーメンバーらがその場で尻を棒などで叩かれ、ときには尻蹴りもあります。しかし、年々暴力を通じて笑いを取ることに対して批判が増している。特に17年にベッキーが出演し、ドッキリで尻にタイキックを受けたシーンは“いじめ”などと視聴者はもちろん、専門家やジャーナリストも警鐘を鳴らす騒動に発展し、日テレにも『パワハラだ!』などと抗議の声が殺到した」(同局の情報番組スタッフ)

 吉本の企業体質が問題視される今年は、例年以上に尻蹴りなどが笑いづらい罰ゲームになったことは間違いない。吉本サイドも局側も罰ゲームの変更を考えざるを得ない時期に入っている。

 ただ、今年の放送に黄信号が点滅したとはいっても、半面“笑わせてなんぼ”の世界。ネット上でも騒動を逆手にとって「絶対に笑ってはいけない記者会見」「絶対に笑ってはいけない吉本興業」などのテーマで放送することを期待する声も噴出している。

「番組関係者の中でも、一連の騒動を“完結”する場として『笑ってはいけない』シリーズとして、放送したいという声はある。当然、年末までに収束していることが前提ですが、もし、実現すれば初の視聴率20%超えも可能でしょう。出演者、スタッフは“一瞬でもNHK紅白歌合戦の視聴率を抜くこと”を目標にしてやってきた。その夢が現実になるかも」(前同)

 日本中を巻き込み、テレビも“吉本一色”状態が続いている。それこそ加藤、岡本社長が登場すれば、紅白を超えてしまってもおかしくないが…。果たして、騒動は笑いに変えられる状況に落ち着くのだろうか。

【藤原寛副社長は欠かせない存在】大みそかの「笑ってはいけない」シリーズといえば、岡本社長の会見でも登場した藤原寛副社長の存在は欠かせない。藤原副社長は番組冒頭から登場し、たどたどしい司会進行ぶりに加えて、セリフを間違えたり忘れたり、かなりの棒読みでよく“かむ”などしてメンバーを爆笑させる。番組内でメンバーが笑ったときに「アウト!」の宣告をする声も担当している。