「黒い紳士」逮捕で浮上 政界、芸能界、スポーツ界〝闇交遊〟15人

2019年07月06日 11時00分

“黒い紳士”の逮捕は政界、芸能界、スポーツ界に激震を起こしそうだ。企業が国の助成を受けて設置する「企業主導型保育所」の開設を巡り、信用組合から融資金約1億990万円をだまし取ったとして、福岡市のコンサルタント会社「WINカンパニー」社長の川崎大資容疑者(51)ら3人が先日、東京地検特捜部に逮捕されたのは本紙昨報通り。そうしたなか、ある大物政治家Xの関与が疑われており、特捜部が本気でターゲットにしているという。また、以前に同容疑者が経営していた高級会員制サロンに集まった有名人の一部に新たな闇営業疑惑が浮上した――。

 川崎容疑者は、かつては「塩田大介」という名前で、2000年から東京のマンション販売会社「ABCホーム.」(東京都港区)の社長、そして後に会長を務めた。

 04年までの2年間に法人所得計約4億8000万円を隠し、法人税計約1億3900万円を脱税したとして08年末に逮捕された。当時、逮捕されるまで約1年、マカオで逃亡生活を送っている。その後、養子縁組などで名前を「川崎大資」と変え、会社を東京から福岡市に移し、今回の「WINカンパニー」でまた悪事に手を染めてしまった。

「塩田」時代には芸能、スポーツ界の有名人人脈を誇っていた一方で、半グレ集団「関東連合」(解散)や元暴力団組長とも密接な関係があり、一部で“黒い紳士”と呼ばれていた。

 芸能関係者は「塩田(川崎容疑者、以下同)は“大人の社交場”として03年から12年ごろまで西麻布迎賓館という高級会員制サロンを経営。ここで芸能人や政治家、プロスポーツ選手らと幅広い人脈を築いた。その華麗なる人脈で、商売相手を信用させ、仕事を広げていった。同時に暴力団関係者も出入りしていて、警視庁の組対四課が塩田を“暴力団関係者”とみなし、捜査に乗り出したこともあった」と振り返る。

 西麻布迎賓館に集まっていたのは、各界の有名人ばかりだった。

「大物歌手Aや、国民的アイドルグループのB、C、有名女子アナD。さらに有名プロ野球選手Eや女子プロゴルファーのFも。さらに元国民的歌手グループGに大物お笑い芸人Hの名前も挙がっていました。そうした人脈のツテをたどってかテレビ番組でも迎賓館は紹介されました。今から思うと、放送したテレビ局の責任もゼロではないですよ」(同)

 遊びに来ていただけの有名人は“無罪”だろうが「まずいのは一部の有名人が“お車代”をもらっていた疑惑があることだ」と指摘するのは、事情に詳しい関係者だ。

 つまり、ギャラをもらうことで、迎賓館に顔を出し“塩田人脈”の広さを誇示させる広告塔になっていたとしたら現在、問題になっているお笑い芸人の闇営業問題と同様の構図と言えるかもしれない。

 川崎容疑者は07年、銀座の高級クラブのママと盛大な結婚披露宴を開いた。「媒酌人は大物政治家I、披露宴の司会はJが務め、当時結婚していたK夫妻や有名アスリートL夫妻らも出席していた」(芸能関係者)

 元知人の不動産関係者は「不動産業がうまくいかなくなった塩田氏が起死回生の一発逆転を狙ったのが今回の保育事業。名前を川崎大資に変えて、会社の本社も九州の福岡市に置いたんです」。そして政府肝いりの「企業主導型保育所」制度を利用して、今回の詐欺を働くことになる。

「塩田は『WINカンパニー』で企業主導型保育施設『キッズランド』を全国展開。偽造書類などをもとに助成金を申請した。企業主導型保育所として事業が内閣府の認定を受けた背景には、塩田の盛大な結婚披露宴にも出席した別の大物政治家Xの関与も噂されてます」とは政治ジャーナリスト。

 このXは国会で川崎容疑者との関与疑惑を追及されたこともある。

 捜査関係者は「Xは知り合いであることは認めていますが、塩田が刑事事件を起こして以来は会ってないと関与を否定しています。ただ、東京地検特捜部がわざわざ福岡まで行って逮捕している案件ですからね。今後、Xは特捜部から厳しくマークされるはずで、今秋にも大きな動きがあるという見方は消えません」と明かす。

 4日、参院選が公示されたが、川崎容疑者逮捕をきっかけに、永田町を揺るがす政治問題に発展するのは避けられず、芸能界、スポーツ界を巻き込んだ令和早々の大スキャンダルに発展しそうな雲行きだ。

【事件の構図】東京地検特捜部の調べによると、川崎容疑者らは2018年10月、保育所開設に関して国の助成を受けることが決まったとする虚偽の「助成決定通知書」を電子メールで横浜幸銀信用組合(幸銀信組、横浜市)の担当職員に送信し、融資金を同容疑者が社長を務める福岡市のコンサルタント会社「WINカンパニー」の預金口座に振り込ませ、だまし取った疑い。

 同信組は国の助成を受けることを条件に、保育所の土地取得費や建築費の融資を承認。同容疑者が実質的に経営する別の会社が公益財団法人「児童育成協会」に助成を申し込んでいたが、決定は出ていなかった。

 詐欺容疑で逮捕されたのは、川崎容疑者のほか、福岡県大野城市の会社役員一山賢介容疑者(34)、佐賀県基山町の会社役員板倉真容疑者(38)。特捜部は3人の認否を明らかにしていない。特捜部は一連の手続きが川崎容疑者の主導で進められ、一山容疑者らに虚偽の書類作成を指示したとみている。(本紙昨報の概要)