「ソフト・オン・デマンド(以下SOD)」の創業者で、現在「国立ファーム」の代表取締役を務める高橋がなり氏(60)が運転する車が今月10日、山梨県北杜市の山中で大クラッシュを起こしていたことが本紙の取材で明らかになった。カスタムを施した愛車ジムニーが廃車になるほどの事故だったにもかかわらず、がなり氏はなぜか笑顔。かつて「常識を疑え!」と豪語した男は還暦を過ぎてもなお、豪快なままだ。

 1995年にSODを設立し、一躍トップメーカーへと導いたがなり氏は“アダルト業界の革命児”と呼ばれた人物。マジックミラー号など数々のヒットシリーズを生み出したことでも知られている。

 2001年からは伝説的バラエティー番組「¥マネーの虎」(日本テレビ系)に出演したことで、さらに人気を博した。がなり氏は05年にSODの代表取締役を辞任すると、農業経営に乗り出した。SODとは距離を置きつつ、16年には当時35歳の野本ダイトリ氏を社長に大抜てきし「つまらなくなったSODを3年以内に潰せ!」と厳命して業界に衝撃を与えた。

 そんながなり氏は「60歳になったら、ままならないことをやれ」と師匠・テリー伊藤氏のアドバイスを受けて、今年2月からユーチューブ番組「まえむき人生相談」をスタート。そこにやってきた相談者(養鶏場経営者)の話を聞き、自ら10日、現地を訪問していたところだった。小雨が降る中、愛車ジムニーでぬかるんだ山道を上がろうとしたところ、運転ミスで左前輪を脱輪してしまったという。

 追走していた軽トラに、けん引ロープを結んで引き上げようと試みるも、あろうことか左後輪も脱輪してしまい、がなり氏を乗せたまま2回転しながら、高さ約4メートルの崖から落下。左右のサイドガラスは割れ、フロントガラスにはひび、フレームがゆがむほどの横転事故となったため、番組関係者は顔面蒼白になったという。

「がなりさんは、いま人生相談にすごく力を入れているんです。来月21日にはSOD本社を借りて『まえむき人生相談夏フェス』というイベントを行うことが決まっていましたが、もうそれどころじゃないアクシデントだと冷や汗をかきました」(同関係者)

 ところが、車内からは「写真を撮れ!」とがなり氏の“がなり声”が上がった。スタッフが慌ててカメラを向けると、横転した車からピースサインでがなり氏が這い出てきたというから驚くほかない。

「ガラスの破片で手を切ったようで、ちょっと出血もありましたが幸い軽傷で済みました。ただ、横転している間に『アクシデントですらコンテンツになる!』とひらめいたようで、がなりさんは『人生相談を聞きに行ったのに、こんな面白い初体験ができるとは!』と大興奮でコメントしつつ、すぐさま動画編集の指示を出したんです」

 ユーチューブチャンネル登録者は「高橋がなりのまえむき人生相談は『¥マネーの虎』みたいで面白い」と、現時点で約1万1000人を超え、コアなファンをじわじわと集めている。

 近日中にこの横転事故に関する動画がアップされるほか「まえむき人生相談夏フェス」には「¥マネーの虎」で共演していた南原竜樹社長もゲスト出演する予定だ。

 本紙の取材に対し、がなり氏は「カッコつけようと思ってジムニーをインチアップしたことで、結果崖から転げ落ち、雨の中で2時間迎えを待つことになった。人生というのはそういうものだ。自分がバカでした。本当にままならないね」とコメント。

 しかし、その後には「宇宙に60億円もかけて行きたい人がいると聞いたが、オレは60歳を過ぎて300万円のジムニーで小宇宙を体験できた」としっかり自慢話も忘れなかった。