市村正親(70)、草笛光子(85)、堀部圭亮(53)が20日、東京・新宿区の紀伊国屋ホールで行われる舞台「ドライビング・ミス・デイジー」(同所で22~7月15日まで)の舞台稽古取材会を行った。

 老齢のユダヤ人未亡人と黒人の運転手の交流をユーモラスに描く同戯曲は、1987年にピュリツァー賞を受賞した名作だ。映画化されたときは、米アカデミー賞作品賞を含む4部門に輝いた。今作では、主演の市村が運転手、草笛が未亡人、堀部が未亡人の息子を演じる。

 驚かされるのは85歳にして現役で舞台に立つ草笛だ。本人は「こんな大役をいただいて、めくるめく思いと、大変な思いで頭がいっぱい」と言いながらも「大切なお仕事なのでこの年なりに頑張りたい」と気合十分。そんなベテラン女優と25年ぶりに共演する市村も「草笛さんだからこそ、この舞台が成り立つんですよ。中年だったらできなかった。ほどほどにくたびれてなきゃ」と話し、笑いを誘った。

 物語は、72歳の未亡人が運転中に事故を起こすところから始まるが、まさに昨今、社会問題になっている高齢者ドライバーをほうふつとさせる。それだけに草笛は「今、世間をにぎわせていることと同じことをいきなりやるので冷や汗ですよ」と困惑顔だ。新聞で高齢者ドライバーの事故を見るたびにゾッとするという。

 70歳になる市村も妻で女優の篠原涼子(45)から「あんまり運転しない方がいいと言われた」と明かし、「難しいですよね。高齢者だからニュースになるけど、若い人も事故を起こしてますし…。ダメだと思ったらやめればいい。本人の自覚の問題だと思います」と持論を展開した。