元SMAPの香取慎吾(42)が13日、宮城県塩釜市の塩釜水産物仲卸市場で行われた主演映画「凪待ち」(28日公開)の完成披露試写会にサプライズ登場した。
映画は「ギャンブル」と「震災」を柱に、香取演じる、ろくでなしの主人公・木野本郁男の救済の物語。撮影のスタートが同仲卸市場だったことから、香取の芸能生活“史上初”の市場で、撮影でお世話になった市場関係者を招いた上映会が行われた。
初めに登場したのは白石和彌監督(44)だった。「ちょうど1年前に撮影でお世話になりました。帰ってくることができました」と頭を下げた。
観客には香取が登場することは事前に知らされておらず、白石監督が呼び込むと市場で、働く“お姉さまたち”が驚きの表情で「きゃ~、慎吾ちゃ~ん、本物?」と嬌声を上げる。
香取は「1年前にここで撮影させていただいて。とてもいい映画になりました。みなさんにお見せできることをうれしく思います」とあいさつすると、「どうしても来たくて来ました。僕のファン層の年齢が上がったなと思いました」とジョークを飛ばし、笑いを誘った。
撮影時のエピソードについては「最初のシーンがこの市場で、僕の役柄を育ててくれました。昼間から酒飲んでる人がいて『何やってるんだ!この野郎!』と怒られたこともありました。市場の雰囲気がぐっと僕を引っ張ってくれました」と苦笑い。
映画は震災を風化させないという思いも込められている。
「震災から大分、時間がたっていて、東京で暮らしているとニュースがどんどん少なくなってくる。でも、お話を聞くとまだまだだなと。復興している部分もありますが、それぞれの人の心の中に残っているものがあって」と香取が語れば、白石監督も「この経験を次の世代につないでいかないといけないと思っています」と語った。
最後には「やっとみなさんに見ていただける時が来ました。人生の新しい道を歩み始めて1年半、力んでしまう時もありましたが、いまはそんなこともなく。すばらしい監督にも出会いました。一人でも多くの方に見ていただけたらなと思っています」と香取はすがすがしい表情だった。