反社会的勢力の忘年会に、会社を通さず芸人を出席させる「闇営業」をしたとして、お笑いコンビ「カラテカ」の入江慎也が吉本興業から契約を解除された問題で、「雨上がり決死隊」の宮迫博之ら参加者が「ギャラは受け取っていない」と主張していることに、改めて疑問の声が上がっている。今後、万が一ギャラを受け取っていることが明らかになった場合、番組降板などの仕事への影響は避けられず、「ノーギャラだったとは言わない方が良かったのでは」とまで言われているのだ。

 この問題は、先週発売の写真週刊誌「フライデー」が報じたもので、大規模振り込め詐欺グループが2014年12月27日に都内のホテルで開いた忘年会に、多くの吉本所属の芸人が出席した。

 参加したのは入江、宮迫のほか、レイザーラモンHG、ガリットチュウの福島善成、ロンドンブーツ1号2号の田村亮。ほかに無名の芸人が2~3人いた。この件で吉本は入江との契約を解除。他の参加者は、入江に頼まれて出席しただけということで、厳重注意にとどめた。

 この忘年会について、参加者は一様に「反社会的勢力とは知らなかった」、また宮迫や田村らは「ギャラはもらっていない」と主張している。

 しかし「反社会的勢力とは知らなかった」という言葉はまだしも、ノーギャラだったことを信じる者はほとんどいない。宮迫がノーギャラと主張した直後から、ネット上では「ギャラをもらわないなんてあり得るのか」という疑問の声が一斉に噴出している。

 ノーギャラの主張については、ネット民だけでなく、業界関係者の中でも信じる者はほとんどいないのが実情だ。吉本を代表する芸人であるダウンタウンの松本人志は、9日放送の情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)で、「正直言うと、ないと思いますね。何らかのお金は受けていると。どういうふうに分配されたかは分からないけど」と語った。

 さらに「宮迫でいうと、お金どうこうじゃなくて、入江に頼まれてパッと顔を出したというのは想像できますね」。続けて「一切お金なしに、あれだけのパーティー、あれだけのサービスするっていうのは、ボクはないと思う」と話した。

 お笑い関係者は「反社会的勢力だと知らなかったとすれば、ギャラを受け取るのが当然のこと。逆に受け取っていないとすると、『反社会的勢力だと気付いていたのでは』との疑問も湧いてくる。反社会的勢力とは知らなかったのにギャラは受け取っていないという主張は、どう考えてもムリがある」と指摘する。

 それでも宮迫らがノーギャラだと言い張るのはなぜなのか? 

「おそらく領収書など、ギャラを受け取った証拠となるモノは存在しないという自信があるのでしょう。それでノーギャラだと主張している」(芸能関係者)

 だが今後、仮にギャラが支払われていたことを示す証拠が報じられた場合、大変なことになる。

「もし証拠が出てきたら、ノーギャラだったという主張がウソだったことになりますからね。いまのところ、入江を除く参加者への仕事の影響はJリーグの試合のゲスト出演がなくなったガリットチュウ福島のみ。テレビやラジオの降板はないが、もしウソをついているとなると降板は避けられない」(同)

 そのため「ギャラはもらってない」とは言わない方が良かった、との見方もある。

「むしろ『反社会的勢力とは知らなかったからギャラを受け取ったが、返す準備を進めている』としておいた方が、リスクは少なかったのでは」(前出のお笑い関係者)

 そうした状況だけに、吉本興業サイドが恐れているのは、ギャラを払った証拠が報じられることだ。

「特にフライデーによる二の矢、三の矢を上層部は気にしているようだ。でもギャラを払ったことを示す物的証拠がなく、『払った』という証言だけだったら、なんとか逃げ切れると踏んでいるようだが…」(同)

 入江の仲介による闇営業問題、果たして結末はどうなるのか?