“チョイ不良オヤジ”ことモデルのパンツェッタ・ジローラモ(56)が11日、都内で行われたイタリア映画「家族にサルーテ! イスキア島は大騒動」(21日公開)のPRトークショーに出席した。

 映画は、イタリア・ナポリ湾に浮かぶ風光明媚な同島が舞台で、老夫婦の金婚式を祝うために集まった親戚たちが巻き起こす、ドタバタファミリーコメディー。天候不良で船が欠航し、2晩を同じ屋根の下で過ごすうちに、抑えていた本音が見え隠れし始め、浮気、借金、嫉妬などワケあり家族たちの秘密が次々に暴露されていく。イスキア島はアラン・ドロン(83)主演の名作「太陽がいっぱい」の撮影地としても知られる。

 ナポリ出身のジローラモは「観光客は(青の洞窟の)カプリ島に行く。イスキア島はナポリの人ばかり。船で40分くらいのところで、昔は7~9月のバカンス期間を島で過ごした。山もあってウサギのオーブン焼きがおいしい。ワインが有名で白のほうがおいしい」と懐かしそう。

 続けて「僕の父はずいぶん前に亡くなっているが、ある時、母と散歩していると『お前のお父さんは遊び人だったが、家族の面倒をよく見てくれた。男はハンター』と言われてビックリした。母は父の行状を知っていたが、我慢していたのだと思う。離婚したらイメージが悪いので、あの年代の人たちは離婚せずに我慢していた」と、自らの家族について話し始めた。どうやら女たらしは遺伝のようだ。

 さらに「僕の兄は別の奥さんがいて、その人が母の隣のマンションに住んでいる。妻を連れていくと、いつも『あれは誰の奥さんだっけ?』となる。複雑でイチイチ説明するの面倒くさい。この映画と同じね。今の若い人は我慢しないで離婚するか、結婚しないか。イタリアの失業率は30%。経済的に大変なので、今は昔みたいな大きな家族はめったにいないね」と現在のイタリアの結婚事情を説明した。

 映画については「お金をかけずに俳優の個性を生かして、ハッピーエンドにするのがイタリアの映画。この作品はイタリアの家族を経験できる」とアピールした。

 ちなみに自身は結婚30年。夫婦円満の秘訣を尋ねられると「愛を超えたありがたい気持ちはある。今は愛を楽しんでいる」とキザなセリフで締めくくった。