新潟県の花角英世知事は5日の定例記者会見で、9月に県内で開催予定の国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭のスペシャルサポーターについて、委嘱していた地元拠点のアイドルグループ「NGT48」との契約を更新しないと明らかにした。

 県は当時メンバーだった山口真帆(23)が被害に遭った暴行事件を受け、今年3月末までの契約を更新するかどうかを保留していた。県の決定で、NGTは広報役を降板することとなった。

 花角知事は、事件を念頭に「県民から歓迎される状態になったとは思えない」と理由を説明。グループについては「運営上の課題を克服し、以前のように活躍してほしい」と話した。

 NGTは昨年夏から国民文化祭などのポスターや動画に出演。PRに努めてきたが、山口への暴行事件をきっかけに、山口が運営側の対応が不適切だとツイッターで投稿するなど混乱が続き、県は更新を保留した。

 山口は5月に卒業し、大手芸能事務所の研音への移籍が決定。憧れのモデル・女優へと続く道を歩み始めたが、その一方で、NGTは新たな一歩を踏み出せない状態が続いている。

「劇場公演再開の見通しもいまだ立っておらず、秋の開幕に向けてイベントなどの出演も時間的にも厳しい状況になっていた。知事の判断はやむを得ないでしょう。地元密着を掲げたグループだけに、県民からも一連の騒動に対しての批判が出ていたことは大きい。これから活動再開に向かうためには、県民が納得できる丁寧な説明ができるかが鍵になってくる」と地元テレビ局関係者。

 新潟県民、ファンからの信頼を回復できてこそ、NGTは再起できる。まだ全員を納得させられたとは言えないだけに、もう少し時間がかかりそうだ。