沖縄県最大の廃虚「中城高原ホテル」解体 ドローン撮影スポット消滅嘆くマニア

2019年06月04日 10時00分

解体が始まった中城高原ホテル

 沖縄県最大の廃虚として知られる中城(なかぐすく)高原ホテルの解体が始まった。これまで、廃虚マニアの間で、“廃虚の王”は軍艦島、“廃虚の女王”は摩耶観光ホテルだったが、管理態勢が整ったことで、両者とも潜入して写真を撮ることが難しくなった。

 中城高原ホテルのスケールは、軍艦島には及ばないものの、その規模の大きさからマニアの間で定評があった。

 奈良県在住の男性は「本当に残念です。軍艦島や摩耶観光ホテルも入れなくなり、その他の大型物件も年々入ることが厳しくなっています。中城高原ホテルはいろいろな角度から撮ったり、撮影する時間を工夫したりすることで、廃虚美を表現できる物件でした」と語る。

 同ホテルは、2000年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録された「中城城跡」の隣に位置している。1975年の沖縄海洋博に合わせ開業を予定していたが、建設企業の倒産で、海洋博直前に建設がストップした。

 現在、解体は沖縄県によって進められている。展望塔を含む5階建ての鉄筋コンクリートの建物のほか、大小17棟のコテージも20年3月までに解体される予定だ。解体費用は約2億470万円。

 今回、突然のように解体作業が始まったことで、廃虚マニアの間からは落胆の声が上がっているが、これは西日本最大の廃虚を失うという失望感からきているものだ。軍艦島に入ることができなくなってからは、中城高原ホテルに通うマニアが多かったからだ。

 また、最近では、マニアの間でドローンを飛ばして空撮することが流行しているが、上級マニアは、中城高原ホテルの建物内部にドローンを飛ばして撮影をしていた。新たな時代を感じさせる表現が行われていた矢先の解体で、マニアのショックは、計り知れない。