モデルのローラ(29)が28日、インスタグラムを更新した。

 ローラは自身が表紙になった雑誌「Numero TOKYO」の発売をPR。ケニアのサンブル国立保護区を訪れた際の特集が組まれており「ゾウを救おう!」「私たちはみんな家族です」と訴えた。

 そして「象牙」「印鑑」と記し、国内市場を閉鎖していない日本の問題を提起した。

 象牙を狙ったアフリカゾウの密猟阻止を何度となくアピールするローラだが、その声はなかなか届かない。中国のマフィアやイスラム過激化の手先となった地元住民、武器を持ったテロリストが横行し、象牙のためなら殺人まで犯す、きれいごとでは済まされない現実があるからだ。

 また、ゾウの減少は密猟だけが理由とは限らない。5月にはジンバブエがゾウ90頭を中国とドバイの動物園に輸出した。ゾウは基本的にファミリーで暮らすもの。それを無理やり引き離し、外交の道具にするのは、高値で売れるからであり、貧困にあえぐ国にとっては外貨獲得の手段でもある。

 さらに、22日には「ゾウの楽園」と呼ばれるチョベ国立公園を擁するボツワナが、5年ぶりにゾウ狩りを解禁した。動物保護団体の猛烈な反対運動もむなしく、同国に生息する13万5000頭のゾウの命が危機にさらされることとなった。

 一方、解禁の背景には人間とゾウの衝突がある。アフリカの発展と人口の爆発的増加により、人間がゾウの生息区域にまで進出。そこに家を建てるため、ゾウが家畜を襲ったり、畑を荒らす被害が絶えない。まれに人間が踏み潰されて死亡することもある。こうした局地的な「人対ゾウ」の紛争が、今回の決定につながった。

 アフリカでは野生動物のすみかが猛スピードで縮小している。乾燥による砂漠化も進んでおり、季節によって長距離を移動する野生動物の生態系を脅かしている。

 自然死または病死したゾウから採取された象牙をめぐっては、ボツワナのほかナミビア、ザンビアなども売買取引に賛成している。そして、それらの象牙に目を光らせているのが、日本を中心としたアジアの国だ。

 日本に現存する象牙は国際条約で輸入が禁止される前に流通しているもの。しかし、その後も象牙は複数回、流入しており、象牙を使った印鑑や工芸品の流通も止まっていない。

 アフリカではケニアを中心に、ゾウを保護しようという動きは高まっているものの、ローラの願いとは裏腹に、賛成派と反対派のせめぎ合いが続いている。