市村正親が旭日小綬章受章 蜷川幸雄さんや浅利慶太さんに感謝

2019年05月21日 05時00分

市村正親

 俳優の市村正親(70)が、令和初となる春の叙勲で旭日小綬章を受章した。2007年には紫綬褒章を受章している。師匠の故西村晃さんが両章を受章していることから、師弟での快挙となった。

“演劇界の巨人”は開口一番「バンザーイ、ありがとうございます」と役者らしく全身で喜びを表現。「一生懸命に役者をやってきてよかった。好きなことを徹底してやったおかげで、こんな素晴らしいものを頂けた。これも両親をはじめ故蜷川幸雄さん(演出家)、故浅利慶太さん(劇団四季創設者)ら、いろんな方のおかげ。手を合わせ、感謝の意を表したい」と笑みを浮かべた。

「ラ・カージュ・オ・フォール」「ミス・サイゴン」「スクルージ」など、出演作が軒並みロングランを記録してきた。それでも「再演だけやっていると頭がおかしくなる。常に新しいものをやって『本当に70歳?』というパワーを出したい」と常に前だけを向く。

 14年には胃がん、15年にヒザの半月板を手術した。「うまい具合に胃が半分になっているから太らないで済む。腹いっぱい食べると苦しくなるから。締めるところを締めて、足が上がらないとね」。病気やケガさえも前向きに捉え、糧にして乗り越えてきた。

 芝居への情熱は衰えず、どこまでも貪欲だ。「この世界は人のものを盗んでもお縄にならないから、これまで本当によく盗ませてもらった。そのおかげでお上から、ありがたいものを頂いた」と笑わせる。

 やり直しの利かない舞台は一発勝負。「役者は想像力がなくなったらおしまいだ。演技は昨日ウケたからといって、今日その通りにやっても全然ウケない。その日のイメージでやるのが大事。あったことは忘れて今日、今、この時をしっかり生きる」と持論を述べた。

 これまで、多くの演劇賞を受賞してきた。だが「情熱があっても、お客さんがいなければ仕方ない。いくら役者が努力しても、本が悪ければどうしようもない。俺は恵まれている。運がいい」と謙虚な姿勢は変わらない。

 2人(11歳、7歳)の子供に恵まれ、一時“不仲説”が流れていた妻の篠原涼子(45)との仲も良好。家族がパワーの源になっているようだ。

 現在はドラマ「集団左遷!!」(TBS系)に出演中。舞台「ドライビング・ミス・デイジー」(6月22日~7月15日、紀伊國屋ホール)も控えている。