大波紋「イエティ足跡発見」検証 いる?いない?インド軍の衝撃投稿

2019年05月03日 16時30分

公開されたイエティの足跡写真(インド軍提供、ロイター)

 インド軍が、ヒマラヤの山中で伝説の「雪男(イエティ)」のものとみられる足跡を発見したと写真付きでツイッターに投稿し、大騒ぎになっている。どこの国でも軍は監視、追跡、鑑定技術にたけ、危機管理のために“未確認”なものの存在は曖昧なままにしておかない組織だ。その軍が足跡をイエティのものだと半ば認めてしまったから、世界中でこの足跡事件が大きく報じられている。果たして、この足跡は“UMA界のスーパースター”イエティのものなのか。専門家が切り込んだ。

 イエティは全身が毛で覆われ、二足歩行する猿人のような姿とされるが、存在を示す明確な物証は見つかっていない。

 インド軍が衝撃投稿したのは4月29日のこと。

「登山隊が同月9日にマカルー山のベースキャンプ近くで、イエティのものとみられる謎めいた足跡を初めて見つけた」とツイッターに寄せた。

 足跡は長さ32インチ(約81センチ)、幅15インチ(約38センチ)で、周辺では過去にもイエティが目撃されているとつづり、雪上に続く足跡の写真も載せた。

 信頼性が高い軍発表の情報とあって、5月1日付の多くのインド紙は1面で報道。ツイッター上では「足跡発見を祝福します」と好意的なコメントがある一方「誰のものとも確認されていない足跡など発表すべきではない」と批判の声も上がった。総選挙を迎えていることから「イエティも投票に来たのでは」とちゃかす投稿も多かった。

 クマやヒョウの足跡ではないかと疑う専門家もいるが、軍は「登山隊が下山次第、写真を専門家らに提供したい」としている。

 インド軍は「イエティの足跡」、動物の専門家は「クマの足跡」と言っているようだ。果たしてどうなのか。UMAに詳しいオカルト研究家の山口敏太郎氏はこう語る。

「一見、意見が分かれているかのように思えますが、実は分かれていないのです。ネパールの一地域の方言でネパールグマ(ヒマラヤグマ)のことを『イエティ』と呼ぶんです。我々日本や欧米のマスコミや動物研究家は『イエティ』と言えば、未知の類人猿というイメージが強いのですが、地元のガイドはクマの足跡という意味で『イエティの足跡だ』と説明するんです。そういったコミュニケーションの誤差により、情報が間違って伝達されるのです」

 つまり、インド軍の案内をしたガイドがクマの足跡との意味で、インドの軍人に「イエティの足跡」と説明した可能性があるわけだ。ではUMAである謎の類人猿としてのイエティは存在しないのだろうか?

「日本のベテランの登山家がヒマラヤで明らかにクマと違うサルのような生物を目撃したと証言しています。山岳地帯では脳内に送られる酸素が少なくなり、幻覚を見ることがありますが、日本を代表するベテラン登山家がクマと類人猿を見間違えるわけがありません」と山口氏。

 これまで、多くの登山家がヒマラヤを訪れている。では、なぜ、はっきりとしたイエティの目撃例、撮影例がないのか。

 山口氏は「可能性があるのは、ヒマラヤの麓に広がるジャングルに類人猿が生息している可能性です。かつて古代に存在した、雪山に適応したチンパンジーに近い類人猿がこのジャングルに生存しているとしたら、時折、雪山にエサを探しに来ているところを目撃され『イエティ』と呼ばれている可能性はあり得ると思いますね」と指摘している。

 果たして、今回の「イエティの足跡」の真偽は――。