「ワッハ上方」リニューアル 千鳥・ノブがビデオでツッコミ勉強した“芸人人生の原点”

2019年04月25日 16時30分

いまや超売れっ子となった千鳥

 お笑いコンビ「千鳥」(大悟=39、ノブ=39)が24日、大阪市の大阪府立上方演芸資料館(愛称ワッハ上方)のリニューアルオープンイベントに出席した。この場所は千鳥にとって思い出の場所だ。いまではテレビで見ない日はないほど、超売れっ子となった千鳥だが、売れる前の修業時代、ノブはこのワッハ上方でツッコミを勉強していたという。

 上方演芸の保存と振興を図り、大阪文化の発展に資することを目的に1996年、故横山ノック大阪府知事時代にオープンしたワッハ上方が昨年12月から約5000万円をかけてリニューアル。この日のイベントには落語家・桂文枝(75)、松竹新喜劇の渋谷天外(64)、講談師の旭堂南陵(69)など、上方演芸界の大御所が集結したが、その中に千鳥の姿もあった。

 館内には資料約7万点を展示。入り口には大阪出身の世界的イラストレーター・黒田征太郎氏によるのれんが掲げられている。ノブは「資料館ってお堅いイメージがありますが、子供でも入りやすい“クセがすごい”ものにしているのは、テクニックですよね」と持ちギャグを繰り出したが、大御所たちの反応はイマイチ。大悟から「ドン滑りやん」とツッコまれ、MCを務めた浅越ゴエからも「“クセがすごい”はもっとすごいパワーワードだったはずですが、この言葉は今日、死にました」とイジられた。

 千鳥といえば現在、レギュラー12本を抱えるほどの超売れっ子に成長した。この日も並み居る大御所芸人を前にひるむことなくしゃべりまくって笑いを取るなど、強心臓ぶりを見せつけた。

 そんな2人は売れる前の修業時代、ワッハ上方には思い入れがあるという。大悟は「20年前に岡山から出てきたんですけど、NSC(吉本総合芸能学院)に落ちた。路頭に迷って芸人になるにはどうしたらいいかと迷った時に、(現在、ワッハ上方となっている)このフロアに当時レッスンルームがあって、照明や音響の手伝いをしながら芸人を始めた。ノブと最初に漫才をやったのもここなんです」と、芸人人生の原点の場所だと明かした。

 一方、ノブは「ここの資料館にはビデオがいっぱいあった。ツッコミが下手で漫才がウケなかったときに、『笑い飯』の哲夫さんから『とりあえず、夢路いとし・喜味こいし師匠と中田ダイマル・ラケット師匠を見ろ』と言われて、休みの日に勉強しに来ていました」と懐かしそうに振り返った。

 在阪テレビ関係者は、現在の千鳥の活躍についてこう指摘する。

「千鳥は若いころから才能は認められてきたが、若いうちはとがりまくっていた。千鳥が伸び悩んでいたのは、それが原因。まず落ちるはずのないNSCに大悟が落ちたのも、面白いと思って面接官にケンカを売ったら、怒られて謝ってしまったから。芸人にとって必要な要素であるのは間違いないのですが、そればかりでは余裕のなさが目立ってしまう。経験を経ることで彼ら本来の飾ることのない面白さが伝わりだしたのが躍進につながったのでしょう」

 かつて橋下徹氏が大阪府知事を務めていたころ、あまりにも赤字だったため廃止や移転が検討されたワッハ上方だが、千鳥の今の活躍ぶりを見る限り、上方演芸界に確かな種をまいていたのは間違いない。