史上最年少棋士・仲邑菫 黒星発進も日本棋院幹部から「将来の世界一」の声

2019年04月23日 16時30分

対局後、会見した仲邑初段(左)と大森初段

 囲碁の史上最年少棋士・仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が22日、大阪市の日本棋院関西総本部で行われた「第29期竜星戦予選B」で、大森らん初段(16)に敗れ、公式戦デビューを白星で飾れなかった。

 ドイツメディアを含む報道陣約100人が詰めかけたデビュー戦に、仲邑初段は対局5分前に登場。イスに座ると足が床に届かないため、足元には台が置かれた。“菫にらみ”と呼ばれる鋭い視線を向け、有利とされる先手でちゅうちょなく碁石を打ったが、中盤を境に劣勢となり大森初段が174手で中押し勝ちした。

 終局後、仲邑初段は「緊張してうまく打てなかった。悔しい。(大森初段は)強かったです」と悔しがった。大森初段を見て、はにかんだり、首をかしげてみたりと、あどけなさ全開の会見となったが、将来の夢を聞かれた時だけは「まずは女流タイトルを取りたい。世界で戦いたい」と力強く言い切った。

 仲邑初段は、日本棋院が世界戦で活躍できる棋士を育てるために新設した「英才棋士枠」でプロ入り。敗れはしたが10歳1か月での公式戦対局は、藤沢里菜女流本因坊(20)の11歳8か月を更新する最年少記録となった。

 この日の終盤、仲邑初段はAIが大森初段の圧倒的有利と診断する展開になっても、あがきにあがいた。同じく最年少棋士である将棋の藤井聡太七段(16)の粘りをほうふつとさせる姿に、大橋成哉七段(28)は「あがいていましたね。でも、あれくらいしないと。もの分かりがいいのはダメですね。相手のミスを誘うように粘り強く打つって大事なんです」と話した。

 対局の立会人を務めた日本棋院関西総本部の後藤俊午常務理事(52)は、仲邑初段の将来性について「福原愛さんの活躍をきっかけに現在の隆盛を築いた卓球界をお手本に、囲碁も10~20年プランで考えている。仲邑さんはメンタルがトップ棋士より上かもしれないと思うほどで、中国や韓国と伍して、女子で世界チャンピオンになれる可能性がある」と語った。

 日本が世界の囲碁を席巻する日が楽しみだ。