東海テレビが23日午後7時から1994年10月8日の中日―巨人戦を放送することが分かった。シーズン最終戦で同率首位チーム同士が直接対決した伝説の「10・8決戦」。プロ野球中継史上最高視聴率となる48・8%(関東地区、名古屋地区は54・0%)を記録し「国民的行事」と呼ばれた一戦だ。試合は巨人が6―3で勝利しリーグ優勝を決めた。

 今から25年前の試合をゴールデンタイムに放送するというのは異例中の異例だが、東海テレビ・森脇淳プロデューサーは「世の中を動かすほどの国民的行事と呼ばれた試合。平成の最後に中継局しか持っていない映像をお見せするという使命もあるのかなと思います。立浪和義さんや桑田真澄さんらの証言も交えますが、できるだけ当時の映像をお見せしたいと思っています」と説明した。

 かつて名古屋は日本で最も“野球熱”の高い地域と言われていた。巨人戦ともなればファンが徹夜でチケット売り場に並び「中日戦の視聴率が20%を割ったら“低いね”と話題になった」(在名テレビ局関係者)ほど。ところが6年連続Bクラスと長期低迷が続く間に注目度は一気にダウン。中日戦の視聴率1桁台も珍しくなくなった。「地元開幕となった2日の広島戦(ナゴヤドーム)を名古屋と広島で地上波放送したのですが名古屋の視聴率が11・5%だったのに対して広島では34・5%を記録。名古屋と広島ではいつも視聴率がトリプルスコアぐらい違う」(東海テレビ関係者)というのが現状だ。

 中日は9日の巨人戦に1―3で敗れ借金「2」で5位転落。今季もBクラスに定住しそうな気配が漂ってきた。そんな状況の中で「ヒリヒリしたゲームを感じてもらいたいです」(森脇プロデューサー)とあえてゴールデンタイムに放送される四半世紀前の「10・8決戦」が、名古屋人のドラゴンズ熱復活のきっかけになるか。

(視聴率はビデオリサーチ調べ)