安田純平氏 東大で講演も予定時間を大幅オーバーで質疑応答は1問で終了

2019年04月10日 09時18分

安田純平氏

 ジャーナリストの安田純平氏(45)が9日、東京大学駒場キャンパスで「紛争地のジャーナリズム」と題した講演会を開いた。

 講演会は2部構成で、講演1時間、質疑応答30分を予定していた。ところが、安田氏は話を始めるとヒートアップ。参加者によると、講演だけで1時間40分を要し、質疑応答は1問だけで終了となった。教室は満員だったものの、帰り始める学生もいたという。

 安田氏は帰国会見でも自身の経験を一から長々と説明し、報道陣のひんしゅくを買った。

 講演では反政府側に接触した際の裏話として、焼きゴテや電極などで拷問に遭った医者を仲介役に使ったと説明。また、ビジョンでは予告なしに紛争の最前線の死体と思われる映像もモザイクなしで流したという。

 また、イスラム国(IS)が発展した理由については、他の組織に比べ体制がしっかりしていたことを指摘し、実際の給与表を公開。独身、既婚者、子供の数によって金額が違い、結婚祝い金も払うなど統制が取れていたことを紹介した。

 シリアからの解放の際、政府や第三国から身代金が支払われたとする説については「日本は交渉して身代金を払うこともしないです」と断言。同様のスタンスを取る米国に近いという認識を示した。

 プロのジャーナリストなら護衛をつけて入国すべきとの批判については「シリアで護衛をつけて入ってくる人は見たことない。捕まったら護衛が処刑される」と話したという。

 3年4か月の拘束の間は生還できるかどうか分からないため、ひたすら過去を振り返り「走馬灯をずっと見ている状態」と告白。

 ジャーナリストになったことの決断も揺らいだといい、不自由な暮らしの中で「自分がやれることをやれるっていうのはどれだけ貴重かと思った。(日本では)お世話になって、お礼をする前に亡くなっちゃった人もいた」と苦渋の胸中も明かした。

 最後には「やれなくなってからやりたいと思っても本当につらいから、とにかく好きなことをやることは本当に大事。誰も知らない新しいものが見つかってくる社会というのは、一生懸命やっている人たちがいろんな方向を向いているから結果としてこぼれてくる。とにかく好きなことやってほしい」と未来を担う若者に呼びかけた。

 講演会に参加したツイッターユーザーからは「ご本人から直接いろいろなことをお聴きできてほんとうによかった」「安田純平さん講演会@東大へ。安田さんの情熱がほとばしってた」との声があった。

 一方で「安田純平の講演会を見てきたのですが、正直に申し上げて『この話し方と考え方だったら、それは叩かれるだろうなー』という印象を持ちました。なんというか、軽いです」「安田純平の講演会を見てきたけど、これはちょっとなぁという感じ」などの反応も上がった。